代表的な説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 19:51 UTC 版)
標準レンズの基準は諸説あり、下記は代表的な例である。 単なる慣習に過ぎないという説 最も有力。第二次世界大戦前から1950年代の頃までの、135フィルムを利用する小型高級レンジファインダーカメラの双璧であったライカ(いわゆるバルナックライカ)とコンタックスにおいて、デファクトスタンダードであった標準レンズである50mm前後(当時の表現では5cm。なお実測では51mm前後とされ、当時の製造技術などのために機種による揺れや個体差などもある)を標準であると主張するもの。 肉眼の視野に近いとする説 35mm判(ライカ判)における焦点距離50mmの画角(対角線46°・水平40°)が「注視していない時に肉眼で視認できる視野に一番近い」とするが、肉眼に近い画角については28mm説、35mm説、85mm説など諸説ある。 対角線長に基づくとする説 実画面サイズの対角線長に近い焦点距離のレンズを「標準レンズ」とするが、アスペクト比が35mm判では2:3、ハーフサイズ・6×4.5判では約3:4、6×6判では1:1とフォーマットごとに比率が異なるため、「対角線長を基準とするのは無理がある」という異論がある。 但し、この異論に対してもフイルム・受光素子の「イメージサークルに収まる対角線長=標準焦点」と考え、プリントもトリミングをしなければ「対角線長=標準レンズ」は事実である。 実画面サイズの対角線長の焦点距離のレンズはパースペクティブが自然である。ポートレート撮影の場合ではモデルとの距離も適度である。 レンズ特性による説 「広角レンズの特性」・「望遠レンズの特性」の両方の特性が弱くなり重なった焦点距離が50mm(35mm判)であるとする説。広角・望遠の特性が弱いゆえにクセのない描写をするため「標準」とする。 そのクセのない標準性ゆえに平凡な描写になりがちであるが、撮影方法の工夫により広角的にも望遠的にも表現が可能である。そのため「標準レンズ愛好者」も存在し、「標準に始まり標準に終わる」などの格言が存在する。 その他 レンズの交換できるカメラでは、セット販売のレンズを指すこともある。以前は、大口径の50mmレンズもこの性格を有するレンズであった。
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