仙台国際音楽コンクールとは? わかりやすく解説

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仙台国際音楽コンクール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 01:24 UTC 版)

仙台国際音楽コンクール
Sendai International Music Competition
日立システムズホール仙台
受賞対象 ヴァイオリン演奏、ピアノ演奏
会場 日立システムズホール仙台
日本
主催 仙台国際音楽コンクール組織委員会
報酬 賞金300万円、金メダル、ディプロマ
初回 2001年(平成13年) -
最新受賞者 ヴァイオリン部門該当なし、ピアノ部門エリザヴェータ・ウクラインスカヤ
公式サイト simc.jp

仙台国際音楽コンクール(せんだいこくさいおんがくコンクール、: Sendai International Music Competition)は、宮城県仙台市において3年毎に行われているコンクールである。ヴァイオリンピアノの2部門がある。課題曲には協奏曲が含まれ、予選及び本選では仙台フィルハーモニー管弦楽団または山形交響楽団が出場者と共演する[1]

チャイコフスキー国際コンクールのいわばジュニア部門として位置付けられる「第2回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」が、1995年(平成7年)に仙台市で開催された。この開催経験をもとに、伊達政宗による仙台開府四百年を記念して、2001年(平成13年)に第1回コンクールが開催された。2005年(平成17年)には国際音楽コンクール世界連盟へ加盟した。

出場資格と審査

出場資格として年齢制限がある。国籍は問われない。出場者には仙台での滞在費の補助がある。また、日本国外からの出場者には旅費の補助がある[1]

2004年平成16年)の第2回コンクールでは、全世界からバイオリン部門とピアノ部門をあわせて300人以上(日本人が2/3)の応募があった(出場資格は27歳以下)。出場希望者から提出された書類及び課題曲を録音したCDによって予備審査が行われ、その後、パリウィーン上海・仙台・ニューヨークでピアノ伴奏によるオーディションを行い、各々の部門でおおむね36名が仙台での本選に進んだ。

仙台での本選は公開され、室内楽弦楽四重奏または弦楽五重奏)を伴奏とする予選を行って12名以内に絞り、セミファイナルでは仙台フィルハーモニー管弦楽団の伴奏のもと6名以内の入賞者を決めた。入賞者は、再び仙台フィル伴奏のファイナルに出場し、順位が決定された。また、1位から3位入賞者は、仙台フィル伴奏でガラ・コンサートを行った。2007年(平成19年)の第3回コンクールも同様の実施。

課題曲は回を重ねるにつれ易しくなっている[2][3]

仙台での本選は、約300人のボランティアに支えられている。各々の部門でファイナルまで2週間ずつの長期に渡ることや、出場者に未成年が含まれることもあり、ホストファミリーのバックアップに感謝する出場者が多い。

入賞特典

2部門開催のため、賞金総額が1600万円以上と日本の国際コンクールの中で最も高く、各々の部門の入賞者の賞金も国際的に高い部類に入る。主催者より、各部門の入賞者には賞金が授与され、1位から3位までの者にはメダルも授与される。2007年(平成19年)には、大阪在住の個人より寄贈されたステンレス製のトロフィーも1位から3位の者に授与された。以下に、各部門ごとに授与される賞金等を記載する。

順位 賞金 賞状等
1 300万 賞状、金メダル
2 200万円 賞状、銀メダル
3 100万円 賞状、銅メダル
4 80万円 賞状
5 70万円 賞状
6 60万円 賞状

1位から3位入賞者は、入賞者記念ガラコンサートへの出演に同意することが必要。出演料は10万円。さらに、各部門1位入賞者には以下の特典がある[1]

  1. 仙台フィルハーモニー管弦楽団または日本の代表的なオーケストラとの共演の機会
  2. リサイタル出演の機会
  3. コンクールにおける演奏を収録したコンパクトディスクの作成

なお、ファイナルに進めなかったセミファイナリストの中から、審査委員特別賞として奨学金50万円を授与することがある。

開催年と入賞者

第1回(2001年
ヴァイオリン部門
1 ホァン・モンラ 中国
スヴェトゥリン・ルセヴ  ブルガリア
3 梁美沙 韓国
4 石橋幸子 日本
5 大宮臨太郎 日本
6 白井圭 日本
ピアノ部門
1 ジュゼッペ・アンダローロ イタリア
2 イ・ヂンサン 韓国
3 ワン・ユーチィア(ユジャ・ワン 中国
4 ダリア・ラボトキナ ロシア
5 ロベルト・プラノ イタリア
アミル・テベニヒン カザフスタン
第2回(2004年
ヴァイオリン部門
1 松山冴花 日本
2 マクシム・ブリリンスキー  ウクライナ
3 チュウ・ダン 中国
4 アンドレアス・ヤンケ 日本
5 ヴァーリャ・デルヴェンスカ  ブルガリア
6 有希・マヌエラ・ヤンケ 日本
ピアノ部門
1 タン・シヤオタン 中国
2 高田匡隆 日本
3 ミハイル・ナミロフスキー イスラエル
4 エリーザヴェータ・ドミートリエヴァ ロシア
5 ショーン・ケナード アメリカ合衆国
6 フロランス・ボワソル フランス
第3回(2007年
ヴァイオリン部門
1 アリョーナ・バーウワ ロシア
2 エリン・キーフ アメリカ合衆国
3 シン・アラー 韓国
4 アンドレイ・バラーノフ ロシア
5 千葉清加 日本
6 長尾春花 日本
ピアノ部門
1 津田裕也 日本
2 ルー・イチュ 台湾
3 オクサナ・シェフチェンコ ロシア
4 イリヤ・オフチニコフ ロシア
5 リー・カリン・コリーン 中国
6 ヴャーチェスラフ・グリャーズノフ ロシア
第4回(2010年
ヴァイオリン部門
1 クララ・ジュミ・カン ドイツ/ 韓国
2 アンドレイ・バラーノフ ロシア
3 長尾春花 日本
4 キム・ボムソリ 韓国
5 キム・デミ 韓国
6 ジオラ・シュミット アメリカ合衆国
ピアノ部門
1 ヴァディム・ホロデンコ  ウクライナ
2 マリア・マシチェワ ロシア
3 マリアンナ・プルジェヴァルスカヤ スペイン
佐藤彦大 日本
5 ムン・ジヨン 韓国
6 クワン・イ アメリカ合衆国
第5回(2013年
ヴァイオリン部門
1 リチャード・リン アメリカ合衆国/ 台湾
2 成田達輝 日本
3 富井ちえり 日本
4 アンナ・サフキナ ロシア
5 キム・ボムソリ 韓国
6 スリマン・テカッリ アメリカ合衆国
ピアノ部門
1 ソヌ・イェゴン 韓国
2 ハンス・ヒョンミン・ソ 韓国
3 アルテョム・ヤスィンスキイ  ウクライナ
4 ソナ・パク アメリカ合衆国
5 片田愛理 日本
6 ホン・ジファン 韓国
第6回(2016年
ヴァイオリン部門
1 チャン・ユジン 韓国
2 スティーヴン・キム アメリカ合衆国
3 青木尚佳 日本
4 アンナ・サフキナ ロシア
5 メルエルト・カルメノワ カザフスタン
6 岡本誠司 日本
ピアノ部門
1 キム・ヒョンジュン 韓国
2 エヴァン・ウォン アメリカ合衆国
3 北端祥人 日本
4 ブルース・シャオユー・リウ カナダ
5 シン・ツァンヨン 韓国
6 坂本彩 日本
第7回(2019年
ヴァイオリン部門
1 該当者なし
2 シャノン・リー アメリカ合衆国
3 友滝真由 日本
4 北田千尋 (ヴァイオリニスト) 日本
5 イリアス・ダビッド・モンカド ドイツ
6 荒井里桜 日本
6 コー・ドンフィ 韓国
ピアノ部門
1 チェ・ヒョンロク 韓国
2 バロン・フェンウィク アメリカ合衆国
3 ダリア・パルホーメンコ ロシア
4 佐藤元洋 日本
5 平間今日志郎 日本
6 キム・ジュンヒョン 韓国

第7回(2022年

ヴァイオリン部門
1 中野りな 日本
2 デニス・カザノフ ロシア
2 マー・ティェンヨウ 中国
4 ホン・ソンラン 韓国
5 橘和美優 日本
6 中村友希乃 日本
ピアノ部門
1 ルゥォ・ジャチン 中国
2 ヨナス・アウミラー ドイツ
3 太田糸音 日本
4 ジョンファン・キム ドイツ
5 キム・ソンヒョン 韓国
6 ジョージ・ハリオノ イギリス

脚注

  1. ^ a b c "開催概要(第9回)"(仙台国際音楽コンクール)2025年3月30日閲覧。
  2. ^ 第2回仙台国際音楽コンクール”. simc.jp. 2018年11月16日閲覧。
  3. ^ 第7回仙台国際音楽コンクール”. simc.jp. 2018年11月16日閲覧。

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