他競技との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 02:30 UTC 版)
「日本ボクシングコミッション」の記事における「他競技との関係」の解説
K-1・PRIDEを始めとする新興格闘技の人気上昇に伴い、近年はボクシング引退後に他の格闘技へ転向する選手も多くなっている(中には天田ヒロミのようにアマチュアのボクサーがプロボクシングを経由せずK-1などに参戦するケースも見られる)。しかし、これらの選手の多くはボクサー時代に心身ともにダメージを受けており、その上で格闘技の激しい試合をすることは健康上からも非常に危険と判断されている。 さらに現状では転向先での成績が振るわないため(基本的にピークが過ぎた選手がでているのである意味当然である。)、このままでは伝統のあるボクシング界の権威が損なわれると言う懸念の声も多くなった。2005年10月に元日本王者の鈴木悟と大東旭がK-1で敗北したことが問題となり、これを受けて西日本ボクシング協会は2005年12月1日より、同協会に所属した元ボクサーが他のプロ格闘技に出場した場合、ジム運営やトレーナー、マネージャーなどでのボクシング界復帰を認めない(永久追放)とする流出防止策を施行。日本協会傘下の他協会にも同調するように働き掛けているが関係者の間で賛否両論があり、他協会やJBCは慎重な姿勢をいまだ崩していない。 一方JBCは「黒い霧事件」以降プロ格闘技選手の掛け持ちでのライセンスを認めていないが、東日本ボクシング協会の新会長に就任した大橋秀行は、これらの選手に対して競技活動を継続しながらのプロテスト受験を認めるプランを発表した。まず、選手層の薄い女子と重量級から掛け持ちを認めるという方針を示している。 掛け持ちを禁ずる方針は日本と韓国が顕著であり(韓国でのケースは池仁珍の項を参照)、他国ではムエタイが盛んなタイを始め、キックや他の格闘技との同時進行は珍しくない。 WBCでは2005年よりムエタイ部門を設立し、他の主要団体も追随しているものの、JBCではこれについて一切関与しておらず、WBCについてはジャパン・プロフェッショナル・ムエタイ・コミッティ(JPMC)などJBCとは無関係な組織によって認定されているが、現在のところJBCはこれについて特に排除する動きはない。 また、その後の総合格闘技全般の興行不振や団体の崩壊もあり、上述のようにK-1選手だった藤本京太郎がプロボクシングに転向する、従来とは逆の流れも見られるようになった。キックボクサーの久保賢司も、2012年にプロボクシングに転向した。女子でもキックボクサーの吉田実代が2014年にプロボクシングに転向し、2019年にはWBO女子世界スーパーフライ級王座を獲得した。 2019年8月22日、日本協会はJBCの協力の下「他競技・類似イベントに関する全国集会」を開き、戦績やKO負けの実態が確認できる他競技の団体に付いては選手層の薄いヘビー級及び女子に限り相互に受け入れを可能にしたり、主要団体のムエタイ部門への参加などが検討されている。
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