他作品における攻性防壁に類似する技術
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「攻性防壁」の記事における「他作品における攻性防壁に類似する技術」の解説
この攻性防壁のアイデアは、『攻殻機動隊』(1989年~)が初出ではない。遡ればサイバーパンクの旗手であるSF作家のウィリアム・ギブスンが1982年に発表した『クローム襲撃』でICE(Intrusion Countermeasure Electronics:侵入対抗電子機器)として描かれた。 この防衛プログラムシステムは、デッキと呼ばれるコンピュータ端末に接続されたジョッキーないしカウボーイと呼ばれるハッカーたちにとっては、攻略すべき壁である。迂闊に弄れば反撃され、攻撃者が特定され次第殺し屋が押し寄せるなどの現実社会とリンクした防御機構として描かれている。この作品では主人公たちはあるギャング組織の経営する売春宿の売上データを掠め取るべく、正式な通信データに相乗りする形で侵入した。 これらはデッキを介して視覚化され、3次元マトリックス空間に投影された映像として描写される。プログラムやシステムにアクセスするためにはこのICEを解除する正式なキープログラムを持つか、或いは他のプログラムで強制介入して破壊することで突破する。 特に「ブラックアイス」などと呼ばれる致死性の罠が仕掛けられたものは、電脳空間で触れてしまったハッカーの脳や神経系に作用して脳の活動や心臓の鼓動を止めてしまったり、呼吸できないようにして絶命させる。『ニューロマンサー』(1984年)では主人公ケイスが「ディクシー・フラットライン」と呼ばれるケイスの師匠で伝説級ハッカーの擬似人格との対話中でブラックアイスのせいで脳波がしばらく停止(脳死?)していたなどの話が出ているほか、ケイス自身もしばらく脳波停止を被った。 また『カウント・ゼロ』(1986年)では駆け出しハッカーのボビイ・ニューマークが騙されて映画サイトとして教えられた危険施設に不十分なICE対抗電子機器で接触して危うく死にかけ、謎の巨大情報構造に助けられるという描写が冒頭で見られる。それでもボビイは攻撃のショックで居間のカーペットに漏らしてしまったほか、接続中に居場所を特定されたために送り込まれた殺し屋に自宅を爆破されるという散々な目にあっている。
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