他の生物の平均寿命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 15:00 UTC 版)
動物の場合、人間のような正確な統計計算はせず、平均寿命は概数として言うことが多い。野生動物では、幼生の高い死亡率が平均寿命を著しく引き下げる。これを「意味のない数値」と見なして、ある程度成長した個体のみの寿命を平均する場合もある。 犬の場合 参考までに、一例として、身近なペットの一種、犬を選び、平均寿命について解説する。犬は犬種ごとに平均寿命が異なることが広く指摘されている。たとえば「小型犬 / 中型犬 / 大型犬」といったざっくりとした分類でも、平均寿命の違いがあることが知られており、それぞれの大きさの平均寿命を考慮した、「犬→人 年齢換算表」のようなものも知られている。 林谷秀樹(2001)「犬と猫における長寿に関わる要因の疫学的解明」(1995~1998年のデータを用いた論文)によると、(日本の)犬の平均寿命が11.9歳。純血種と雑種(ミックス犬)の比較では、純血種が11.3歳、雑種が13.3歳であった。 なお、犬の平均寿命はここ数十年で急激に変化してきており、1983年(昭和58年)に石垣恒(現・一般社団法人ペットフード協会会長)が私的に行った調査では、犬の平均寿命は7.5歳だったという。つまり、最近30年ほどで、犬の平均寿命は2倍ほどに延びた可能性が高い。ペットをどのように育てるか、ということが変化してきており、特に大きな要因として犬に与える食事の変化が挙げられ、かつては人間の食事の「残りもの」を与えていた(ので犬には合っておらず)、その後、犬独特の栄養事情も考慮した犬専用の餌(ドッグフード)の普及率が高くなったこと(昭和62年で20.9%、近年では90%以上)が大きい、と分析されている。
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