人間の餓死とは? わかりやすく解説

人間の餓死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 22:02 UTC 版)

餓死」の記事における「人間の餓死」の解説

成人では基礎代謝量キロカロリー値は、体重キログラム値の25倍から30倍、すなわち、体重60kgの男性なら1500キロカロリーから1800キロカロリー程度である。ヒト日々活動エネルギー源として肝臓筋肉グリコーゲン蓄えているが、これは、絶食後約1日ですべて血糖グルコース)となり、全身使い果たされるグリコーゲン使い果たした結果血中グルコース低下すると、肝臓中で脂肪酸分解経路であるβ酸化回路活性化され肝臓中の脂肪β酸化経てケトン体(β-ヒドロキシ酪酸アセトン、アセトアセチルCoA)に変化し血流中に流出するアセトンを除くケトン体は、全身グルコース代わるエネルギー源として利用される。 したがって栄養欠乏するとまず肝臓筋肉中のグリコーゲンが、ついで肝脂肪エネルギー源として使われる飢餓状態が更に進むと、体脂肪皮下脂肪など肝臓以外の脂肪血流乗って肝臓へと運ばれ、これもまた、肝臓β酸化されてケトン体変わり同様にエネルギー源となる。これにより、ヒトは、理論上水分補給さえあれば絶食状態で2か月から3か月程度生存が可能であり、この限界越えれば餓死に至ることになる。 たとえば、体重70kg、体脂肪率20%仮定したうえで、脂肪カロリーを9kcal/g、絶食によって運動強度下がった結果として低下する基礎代謝量を1200kcal/日とすると、70 kg × 0.2体脂肪率)× 9 kcal/g / 1200 kcal/日 = 105日、となり、この計算だと、ヒト絶食後3か月半ほど生存できることになる。ただし、これはあくまでエネルギー計算上というだけで、実際に健康な状態を維持することは不可能に近い。 その理由は、ヒト体内ではタンパク質核酸無機塩類そのほか様々な生理活性物質緩やかに代謝回転しており、それらの新規合成のため、必須アミノ酸必須脂肪酸ミネラル類や、様々なビタミンなどを食物より摂取する必要があるからである。逆にこれらの摂取ない場合筋肉などが分解し別のタンパク質の合成のためのアミノ酸源として使われることになる。 食糧事情の悪い場所や時代において、心ならずも餓死する例は歴史上数多く見られるまた、ハンガー・ストライキ結果として餓死する場合もある。

※この「人間の餓死」の解説は、「餓死」の解説の一部です。
「人間の餓死」を含む「餓死」の記事については、「餓死」の概要を参照ください。

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