人間への反響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 14:36 UTC 版)
「バルーニング (動物)」の記事における「人間への反響」の解説
クモの子が木に登る際の通り道になった部分は、白いリボンがかけられたかのように、糸の帯となって残る場合があり、人目を引くこともある。さらに、飛んで行ったクモの出した糸が吹き寄せられると、綿くずの固まりのようになり、多くの人を驚かすまでになる。たとえば、不審な綿くずのようなものがそこいらを飛んでいる、とか、木々や建物に引っ掛かっている、という目撃談を生じる。 この現象は古くから人目を引き、西洋ではゴッサマー(英:gossamer)と呼ばれ、13世紀ころから伝えられている。シェークスピア等にも言及した部分がある。これがクモの子であることが判明したのは17世紀以降である。中国では遊糸と言われ、5世紀ころには漢詩などに現れ、12世紀にはその正体がクモである旨の記載がある。日本では、東北地方の一部で雪迎え(秋のもの)、雪送り(春のもの)などと称する。1928年に発表された梶井基次郎の代表作「冬の蝿」(1931年刊『檸檬』に収録)には、糸を伸ばして空を飛び、「渓間(たにま)」の「こちら岸からあちら岸」へ渡っていくクモの子たちを「天女」に例える描写がみられる。これがクモであることは昭和14年に東北大学の岡田要之助の発表で知られるようになった。 他に、空中を飛んでくる綿毛様のものとして伝えられているものにエンジェルヘアー、しろばんば、ケサランパサランなどがあり、それらの正体もこれではないかとの説もある。ただし、その一部はワタアブラムシ(雪虫も参照)と混同されているようである。日本では歌人としても業績を残したクモ研究家の錦三郎が、山形県南陽市をフィールドに、この地の泥炭湿地で観察される「雪迎え」現象について詳しい研究を行っている。
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