井波の木彫りの音
●よく聞けるところ ●寄りみち |
富山県の南西部、散居村で名高い砺波平野の南端にのどかに連なる八乙女山の山麓に、ひな壇のように静かにたたずむのが井波町。六〇〇余年の歴史と北陸随一の威容を誇る瑞泉寺の門前町として栄え、「信仰と木彫りの里」として知られる。 古い町並がつづく石畳を歩いていると、どこからともなく木の香りとともにトントン、コツコツと心地よい木彫りの音が聞こえてくる。 彫刻師の数は300人を数え、二〇〇年の伝統の技法を今に伝えている。町の通りに面している工房の数は150軒ほど、両側で一心にノミを振るう職人たちの木を刻む姿や槌音にふれることができる。訪れる人々の多くが足を止める風景が、また独特の風情を醸し出している。 |
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