二酸化炭素の温室効果についての議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 00:16 UTC 版)
「地球温暖化に対する懐疑論」の記事における「二酸化炭素の温室効果についての議論」の解説
(主張)既に地球放射エネルギーのうち95%は吸収されて飽和状態に近く、二酸化炭素が今後増加しても、大気の窓領域と重なる波長は限られており、それほど気候に変化は起きない。(反論)二酸化炭素が温暖化を促進する効果には、十分な物理学的な証拠がある。鉛直方向の大気全層に相当する二酸化炭素による1回の吸収による放射透過率を波長別に計算すると、確かに波数630から700/cm付近では吸収が飽和している。しかし、それは二酸化炭素による赤外線の射出をゼロとして、吸収の効果のみを計算した場合の話である。実際の大気では、地表面から射出された赤外線は温室効果ガスによって吸収・射出を繰り返し上空へと放出される。大気中の二酸化炭素濃度が増加すれば、この吸収・射出の平均回数が増加するため、温室効果は増加する。つまり、大気全層による一回の吸収が飽和しているからといって、二酸化炭素が増加しても温室効果は増加しないというのは誤りである。 (主張)二酸化炭素は10年程度でほぼ飽和し、7ppm以上には増えない。人間活動由来の CO2 が大気中に放出され、その一定量(58% ~56%と言われる )がそのまま蓄積する、というがそれは不自然な「理論」である。森林や海洋のC02の蓄積にはまだ余裕があると考えられ IPCC (2001)によれば、大気中のC02は毎年30%を森林や海洋と放出吸収し交換しているとしている。1年後には人間が排出したC02は大気中に70%残ることになる。これは2年後には70%の更に70%,つまり49%が残ることになる。人間活動由来のCO2のうち、大気中に長期的に残存する量は合計は等比級数であって、3.33年で 8.5ppm増加する。これを離散的ではなく連続量として計算すると7ppm増加という事になり、10年程度でほぼ飽和し、7ppm以上には増えない。したがって、C02による温暖化は原因として認めても、人間活動由来C02では温暖化の「進行」を説明できない。(反論)「森林や海洋はCO2を吸収放出している。その1年間の吸収量は、同じ年に人間活動によって放出されるCO2量の約3割に相当する。」という意味。自然由来CO2や人間活動由来CO2を吸収放出しており、人間活動CO2のみを吸収しているわけではない。懐疑論のように「その年に人間活動によって放出されたCO2は、その年のうちに30%が吸収され、次の年には残りの70%のうちの30%がさらに吸収されるという過程が無限に繰り返される」という意味ではない。例えば、人間活動由来のCO2量をQ、森林や海洋による吸収量のQに対する割合をrとし、排出吸収量は時間変化しないと仮定、大気中に残存するCO2量を計算した計算法は、Q×(1-r)+ Q×(1-r)+ Q×(1-r)+...ということになり。この数列の和は収束せず、人間活動によるCO2放出が続く限り大気中のCO2量は増えていく。 (主張)二酸化炭素が原因ならば気候モデルの予測結果では非極地方に於いて対流圏中層の温暖化率は地表より高くなるはずであるが、衛星のデータでは逆に地表の温暖化率が高い[要検証 – ノート](反論)その結論はデータの処理方法の誤りによるものであり、誤りを修正するとやはり対流圏中層の温暖化率が高い。
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