事故による外傷の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 22:19 UTC 版)
衝突事故では乗員が投げ出されて対象物に直接衝突することが多く、頭部外傷による死亡が最も高い。ヘルメット着用が義務化されていなかった時代は、頭部外傷による死亡が6割を占め、現在の日本を含めて義務化された国・地域でも、依然として頭部の損傷は死亡原因の4割である。特に初心運転者ほど頭部(顔面を含む)の損傷によって死亡する率が高い。 次いで多いのが体幹の損傷による死亡であり、ことに胸部外傷による死亡が多い。Krausらの研究によると、一本の肋骨が2箇所以上骨折するとフレイルチェストと呼ばれる症状を起こして呼吸困難になったり、肋骨や胸骨の骨折により心停止時に有効な心臓マッサージをすることができない場合があるほか、折れた肋骨が胸郭内臓器や腹腔内臓器を傷つけられる危険性がある。例えば、肺を傷つけると緊張性気胸や開放性気胸を起こす。あるいは、心臓や大動脈を傷つければ失血性ショックによる死亡率が非常に高くなる。また、肝臓や脾臓を傷つけた場合も緊急の開腹手術が必要な重傷となる。このことから、同研究では、胸部プロテクターの普及を図ることを推奨している。 一方、四肢の外傷だけで死に至ることは少ないが(ただし大腿部の動脈などを損傷すると重篤となる場合がある)、膝や肘などは軽微な転倒でも骨折などの骨格傷害を負う場合が多い。
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