主人公の症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 08:49 UTC 版)
「12歳の誕生日に確実に死に至る」という病気。苦痛は伴わないが、他人の顔や名前などの「個性のようなもの」が何かしらで塗りつぶされて認識できないという奇妙な症状が現れ、発言も正常に聞き取れない。ただし、類例である少年と少女だけはお互いに判別できている。他にも、インクや反物などその塗り潰しているものを唐突に嘔吐する、という症状もある。 また、病状の進行に伴い筋肉がもつれやすくなり、まるでゴムのような様子となってしまうため、マッサージをしないといけなくなる。 この病は、12歳で確実に死ぬという反面「新病そのもので死ぬまで如何なる方法でも死なない」という特性を有している。作中では少年がエスカレーターから転落して首の骨が折れても傷一つ残さず元通りとなっている。そのため、毒ら新病の医師会議出席者はほとんどがその病を「不老不死になれる病」という認識を持っており、如何に治すかではなく如何にコントロールするかを主軸としている。 個性を視認できなくなるという性質上、個性が消えうせた死体の顔は正常に認識できる。 少年・少女の死後「山井症(やまいしょう)」と名付けられた(二人の本名が同じだったためどちらの名前から取られたかは不明)。また治療法も確立され「自意識過剰な馬鹿がかかる病気」とされている。 物語のエピローグ「後遺症」にて、山井症はあらゆる異物から個性を剥ぎ取ることで全てを平等に受け入れ、個性的な異物をオブラートに包んで「無毒化した上で服毒する」症状であることが明かされた。通常人間の細胞は新陳代謝のため12年周期で入れ替わるが、山井症は新陳代謝をも無効化してしまうことから、12歳になると老衰で死に至る。本来なら生まれた時期に差があるはずの細胞全てが12歳になると一斉に死ぬということであり、つまりは自分の細胞に対してすら誕生日という個性を塗りつぶしてしまっていることになる。上記のゴム化の症状も、全ての細胞が一つの巨大なたんぱく質の塊へと均一化されていると考えれば説明可能。
※この「主人公の症状」の解説は、「症年症女」の解説の一部です。
「主人公の症状」を含む「症年症女」の記事については、「症年症女」の概要を参照ください。
- 主人公の症状のページへのリンク