中心問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 07:13 UTC 版)
イーラム(「母国」)の概念、すなわちスリランカのタミル人分離独立の問題は、50年以上続くスリランカ内戦の中心となる問題である。TULFはそもそも、1977年の選挙でスリランカ国内のタミル人分離独立を訴えたタミル系諸政党の連合体であり、同年の選挙では北部と東部の諸州で議員を当選させた。政府はこの分離の動きに対抗するため、翌1978年、すべての下院議員に国家統一支持の宣誓を義務づける新条項を憲法に追加した。その結果、TULFは議会への参加を拒否した。以来多数の過激派グループが、タミル人の国家独立を求めて武力闘争に入ることになった。 「タミル・イーラム」の名称はタミル統一解放戦線 (TULF) と過激派グループの両方が使用しているが、スリランカの北東部州だけを指している(主にタミル人が伝統的な母国としているジャフナ県、キリノッチ県、ムッライッティーヴー県を言う)。しかしながらイーラム人民革命解放戦線 (EPRLF) をはじめ初期の過激派グループの中には、タミル人が過半数を占める地域すべてを意味してイーラムの名称を使うものもあった。これには、土地所有(保有資産額?)ではタミル人が多数を占めるものの、伝統的にはシンハラ人の中心地域とされる内陸部地域も含まれていた。 ただし現在では、タミル人分離独立のための領土要求は実質的に北部と東部の諸州に限定されている。 1948年から2002年までの間、一期間でもタミル・イーラム独立のために活動した過激派グループは、およそ38ある。有名なものではタミル・イーラム解放のトラ(LTTE、タミルの虎とも呼ばれる)、タミル・イーラム解放組織 (TELO)、イーラム人民革命解放戦線 (EPRLF)、タミル・イーラム民族解放組織 (PLOTE)、イーラム革命学生組織 (EROS)、さらに知名度は下がるがタミル・イーラム軍 (TEA)、イランカイ自由タミル軍 (FTA)、社会主義革命社会解放軍などがある。 タミル人分離独立に反対する勢力は、タミル人はアパルトヘイト(民族差別)国家を作るつもりだと非難している。スリランカ統一のためのオーストラリアセンター (Australian Centre for Sri Lankan Unity) では、タミル人分離主義者は「タミル・イーラムという名のアパルトヘイト国家」を作ろうとしていると声明し、自治権移譲の試みは「アパルトヘイトと人種差別」の実例であるとした。
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