医療経済学が取り扱う分野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 03:17 UTC 版)
「医療経済学」の記事における「医療経済学が取り扱う分野」の解説
医療制度は経済的に見れば、医療というサービスに対する需要と供給の問題と考えることができる。医療サービスの特殊性から、それに関する需要と供給の一致を完全に市場による調整機能のみに委ねることはできないと考える場合、政府・自治体の関与が必要となる。 医療サービスは、いかなる機構によって供給されるべきか、また、その医療サービスの費用はどのように負担されるべきかが、医療経済学の中心問題である。すなわち、医療サービスの供給主体としては、公的医療機関か私的医療機関か、現実に採用されている医療供給機構としての医療保険についての諸問題、社会保障の対象としての医療に対する政府の関わり方、医療の費用とその負担の問題などが、具体的な問題となる。 さらに、医療サービスの生産(病院の活動など)における効率性の問題、医療産業に関する問題、医療の費用-便益分析などが取り扱われる。医療の費用-便益分析は、医療に対する費用配分が適正であるかどうかの検討のためのものであり、それに関連して、医療サービスの便益の評価、特に人間の生命の経済的価値の評価が問題とされる。医薬品・医療機器・治療方針の保険償還に際して経済性を含む多面的な医療技術評価を踏まえて決定を行う諸外国が増える中、日本においても2016年に試行的導入の方針で中医協が検討を進めている。
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