中年期~後期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:06 UTC 版)
1950年、再び彼女に転機が訪れた。 この年、背中を怪我したクローデット・コルベールの代役として出演した『イヴの総て』では、自身のイメージを逆手に取るかのように、ブロードウェイの大女優役のマーゴ・チャニングを演じ、圧倒的な貫禄を見せ、カンヌ国際映画祭女優賞をはじめ、ニューヨーク映画批評家協会女優賞などを獲得し、オスカーにもノミネートされた。彼女の演技は評論家に大絶賛され、映画通のファンの間では「マーゴ・チャニング」は悪女の代名詞となった。 1960年以降は、『ポケット一杯の幸福』(1961)や、20年代後期から活躍していた元MGMの大スターであったジョーン・クロフォードと共演した、ロバート・アルドリッチ監督の異色作『何がジェーンに起ったか?』(1962)でも復活を強く印象付けた。 とりわけ『何がジェーンに起こったか?』におけるデイヴィスの狂乱の演技は凄まじく、映画ファンのみならず、業界人や評論家までもが度肝を抜かれた。過去の栄光を汚すと言う周囲の反対も聞き入れず、彼女は強烈なキャラクターのベイビー・ジェーン・ハドソン役を見事に創り上げ、あえて醜悪なメイクを施した。それは開き直りではなく、女優としての飽くなき探求心からであった。 これは、彼女のキャリアの中でも特に重要な作品である。50年代以降、あまり作品に恵まれていなかった本人にとって起死回生の大ヒットとなり、続く『誰が私を殺したか?』(1964)、『ふるえて眠れ』(1964)などで、更に一癖ある独特な性格女優としての真価を発揮する。 特に『ふるえて眠れ』では、再びアルドリッチ監督が、クロフォードとの共演で企画を進めていたが、共演者は演技派の名女優オリヴィア・デ・ハヴィランドに変更された。この経緯は後述する。(人柄・人物の項を参照) 70年代にもデイヴィスは積極的に幅広い分野で活動し、アガサ・クリスティの『ナイル殺人事件 (1978年の映画)』(1978)では、コメディ・リリーフ的な役柄を快演している。 1979年にはTVのミニ・シリーズ『Strangers:The Story of a Mother and Daughter』でエミー賞主演女優賞を獲得した。
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