中年時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 17:30 UTC 版)
「アキレスと亀 (映画)」の記事における「中年時代」の解説
そんな生活が続いていくにつれて、気がつくと真知寿と幸子は中年を迎えており、娘のマリも高校生になっていた。売れない画家の真知寿と妻である幸子は、日々創作活動に明け暮れ、マリは家計を支えるために無理やりアルバイトまでさせられ、両親の奇抜な創作活動に対して嫌悪感を感じていた。しかし、相変わらず絵は売れず、次第に夫婦間に溝が生まれ始めていた。そして、美術学校時代の仲間からのアドバイスから商店街のシャッターに絵を描いたり、交通事故現場を間近で描いたり、生死の狭間で描くなど奇抜すぎる発想で絵を創作するものの、結果は全て空回りで終わり、遂には警察沙汰にまでなってしまう。そんな両親に愛想を尽かしたマリは家を出ていき、幸子も真知寿のやり方に耐えられず、離婚を切り出されてしまう。それでも真知寿は絵を描き続け、娘のマリに金を無心しながら描き続けていた。そんな矢先、幸子から電話が入る。それはマリの死の知らせだった。霊安室で再開した真知寿と幸子はマリの遺体をみて愕然とする。幸子はショックで泣く中、真知寿だけはその死顔に口紅を塗りたくり、デスマスクを作成させる。そんな姿を見た幸子は「人間じゃない!」と吐き捨て出てってしまう。妻も娘も失った真知寿は唯一残された絵を全て燃やし、そのまま家を飛び出し、車の中でガス自殺を図る。しかし、結局失敗に終わり、今度はとある小屋の中で火を焚きたながら絵を描き始める。小屋中が燃えたぎる中、真知寿は絵を描き続け、気がつくと全身包帯だらけで病院のベッドに横たわっていた。医師や看護師から苦笑されながら退院し、目の前に落ちていた錆びついた空き缶を20万円で街中で売ろうとしていた。するとそこへ女性が笑いながら立っていた。それは幸子だった。そして、幸子は「帰ろう。」と言い真知寿と共に去っていった。
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