ミニシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/06 08:45 UTC 版)
ミニシリーズ(miniseriesないしmini-series)は、あらかじめ決められた限られたエピソード数の連続ドラマのこと。米国において、テレビジョン放送されるテレビドラマでは、複数のシーズンにまたがる、あらかじめエピソード数が決まっていない形式が大多数であり、これに対するのがミニシリーズである。米国では、同義語で「リミテッドシリーズ」とも呼ばれる。
例として、アメリカ合衆国の定額制動画配信サービス「Netflix」にて[[2022年]より開始されたオリジナルドラマシリーズ167番組のうち、ミニシリーズは18番組であり、残りの149番組は複数シーズンにまたがることを前提としていた。ただしそのうち約半分である75番組は、結果的に1シーズンで終わっている。
イギリスや他のイギリス連邦諸国で、継続的な物語のプロットラインを持つ番組を表すために「シリアル」と言う用語が使用され、一連のエピソードを表すためには「シーズン」という用語が北アメリカで使用されるのと同様に「シリーズ」が使用される。
定義
ミニシリーズは、継続的なテレビシリーズと区別され、後者は通常決められたエピソード数を持たず、数年間続くことがある。1970年代初頭にこの用語が米国で造られる前、継続的なエピソード形式は常に雑誌や新聞の連続した版に掲載される小説と同じように、「シリアル(連載)」と呼ばれていた。イギリスでは、ミニシリーズはしばしばシリーズまたはシリアルと呼ばれている。[要出典]
何人かの解説者が、この用語のより正確な定義を提供している。「ハリウェルのテレビ・コンパニオン」(Halliwell's Television Companion、1987年)で、レスリー・ハリウェルとフィリップ・パーサーは、ミニシリーズは「さまざまな長さの4から6のエピソードで示される」傾向があると示唆しており[1][2]、 一方、「オーストラリアの歴史的ミニ・シリーズにおけるテキストの革新」(Textual Innovation in the Australian Historical Mini-series、1989年)でスチュアート・カニンガムは、ミニシリーズを「連続番組やシリーズ番組に関連する2話以上13話以下のシーズンまたはハーフシーズンブロックの限定番組」と定義した[1][3]。1980年代や90年代には、2、3夜にわたって放送されるテレビ映画が米国では一般的にミニシリーズと呼ばれるようになった[4][5]。
フランシス・ウィーンは『テレビジョン:ア・ヒストリー』(Television: A History、1985年)の中で、両者のキャラクター開発の違いを「ソープオペラもゴールデンタイムのシリーズも、無期限で放映されることを前提に作られているため、主人公のキャラクターを成長させる余裕がない。一方、ミニシリーズでは、(従来の演劇や小説のように)始まり、中間、終わりが明確に定義されているため、連続ドラマの進行に伴って登場人物が変化したり、成熟したり、死んだりすることができる」と指摘している[1][6]。
2015年、テレビ芸術科学アカデミーはエミー賞ノミネート作品の分類方法に関するガイドラインを変更し、放送期間が限定された番組はすべて「ミニシリーズ」ではなく「リミテッド・シリーズ」と呼ぶようになった。これは、この部門が「優れたリミテッド・シリーズ」と名付けられていた1974年に戻ったものである。1986年に「優れたミニシリーズ」に変更されていたミニシリーズは、2011年から2014年までテレビ映画と同じカテゴリーに分類され、その後再び別のカテゴリーに分類された[7]。
21世紀の定義
コリンズ英語辞典(オンライン、2021年時点、イギリス)では、ミニシリーズを「短期間、連続した日または週に放映されるいくつかのパートからなるテレビ番組」と定義し、ウェブスター新世界大学生用辞典(第4版、2010年、アメリカ)の定義は「限られたエピソード数で連続放送されるテレビドラマまたはドキュドラマ」であるとしている[8]。
一般的な用法では、2020年頃にはミニシリーズとリミテッドシリーズの境界がやや曖昧になり、「3話から12話の自己完結型の物語」を持つシリーズと表現されるようになった[9]。
関連項目
- アンソロジーシリーズ
- メタシリーズ
- テレノベラ
脚注
- ^ a b c “Miniseries”. Museum of Broadcast Communication. 2015年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月9日閲覧。
- ^ Halliwell, Leslie, and Peter Purser, Halliwell's Television Companion, London: Paladin, 1987
- ^ Cunningham, Stuart. "Textual Innovation in the Australian Historical Mini-series", chapter in Australian Television: Programs, Pleasures and Politics, Sidney: Allen and Unwin, 1989
- ^ Corry, John (1986年1月31日). “Joan Collins In Sins, A Mini-Series”. The New York Times 2015年3月7日閲覧。
- ^ Scott, Tony (1992年10月16日). “Review: NBC Movie of the Week Danielle Steel's Jewels”. Variety. 2015年3月8日閲覧。
- ^ Wheen, Francis; Television: A History, London: Century Publishing, 1985
- ^ Albiniak, Paige (2015年5月25日). “Rule Changes Open Gates To More Hopefuls”. Broadcasting Cable. 2021年10月25日閲覧。
- ^ “Miniseries definition and meaning”. Collins English Dictionary. 2021年10月25日閲覧。
- ^ Davies, Hannah J. (2020年6月2日). “Less! Less! Less!: How the miniseries took over TV”. The Guardian. 2021年10月25日閲覧。
ミニシリーズ
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「トランスフォーマー (マーベルコミック版)」の記事における「ミニシリーズ」の解説
The Transformers: The Movie 1986年、全3号。『トランスフォーマー ザ・ムービー』のコミカライズ作品。 映画脚本の初稿を元にして製作されたため、ウルトラマグナスの死に方や、ユニクロンの眷属であるクインテッサ星人など、幾つかの描写や設定が異なっている。 G.I.Joe and The Transformers 1986年、全4号。同時期にマーベルコミックで出版されていた『G.I.ジョー』とのクロスオーバー作品。本編24~26号の時期とリンクする作品。 デストロンに裏切られた悪の組織コブラ、G.I.ジョー、サイバトロンが、地球の核からエネルギーを吸い上げるドリルの阻止に尽力する。 バンブルが誤解の末G.I.ジョーに破壊され、ゴールドバグとして再生されるが、イギリス版ではこの話の収録がかなり後になったため、別個にゴールドバグへの再生エピソードが出版されている。後に収録された際にも、イギリス版のストーリーには組み込まれず独立した物語として扱われている。 The Transformers Universe 1986年に全4号出版された、キャラクタープロフィール集。 The Transformers: Headmasters 1987年。全4号の新キャラクター紹介シリーズ。ネビュロン星での、ヘッドマスター、ターゲットマスター、ファイアーボット、ホラートロン、テックボット、テラートロンらの誕生、戦いを描く。ムービーキャラも幾人かが登場。彼らは本編38話で合流した。
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