人柄・人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:06 UTC 版)
身長160cmと小柄ながらエネルギッシュで、辛辣でブラック・ユーモアを交えた発言も多く、ジョーン・クロフォードについては「彼女の使った後の便座だけには座りたくない」と発言したことはあまりにも有名。また、前述した『ふるえて眠れ』のキャスティングにあたり、ジョーン・クロフォードとの共演を拒絶し「ペプシ・コーラのセールス・ウーマンと共演するなんて真っ平ごめん」と発言し、彼女を降板させた経緯がある。 また、後輩の大スターであるスーザン・ヘイワードが撮影に遅刻をしようものなら、カツラを投げつけたりするなど、非常に気が強いことで有名なヘイワードをも泣かせるほどであった。 「私は同じ演技などは一度たりともしたことはないから、怖いものなどはない」等も有名な発言であるが、最も有名な発言は男性優位社会のハリウッドや男性と女性の社会的地位の格差を痛烈に批判した「男がやると尊敬される。女がやると嫌われる」であろう。 後にアメリカン・ニューシネマや、ウィメンズ・リブ台頭期の1970年代に復活した「女性映画」のヒロインとして活躍したフェイ・ダナウェイやジェーン・フォンダらが、時代は変わってもハリウッドは変わらず「ボーイズ・タウン」であることを皮肉った自分たちの発言においても、しばしばこのデイヴィスの発言を引用している。 また、業界誌のデイリー・ヴァラエティの広告欄にわざと「職求む」と実名で仕事の募集広告を出すなど、ジョークも好きで茶目っ気もあった。強烈な個性を武器にハリウッドをサバイバルした彼女であるが、ハリウッドのみならず、世界的に尊敬された「真の女優」という意味で、彼女は唯一無二の個性を持ち合わせた類稀なる女優であることは間違いなく、その評価は揺るぎない。 悪女役のイメージが強いが、出演作品を通覧すると役柄が非常に幅広い。ワーナーでの「半分は天使、半分は妖婦、そしてすべてが女性」というキャッチ・フレーズ通り、悪魔のような人物像から、情熱的な役から可憐で美しい女性、憎らしい女から、目を見張るほど美しく可愛い女性像、地味で目立たないような人物や、苦悩が色濃い役、薄幸な人物までイメージをことごとく変えて魅せることの出来る才能の持ち主であり、女王役などは言うに及ばずという所であろう。 1930年代、それまで男性スターを中心に動いていたボーイズ・タウンのハリウッドは軌道修正を迫られた。女性客の圧倒的な増加により、女性を積極的に主人公に起用する、「女性映画」の制作を迫られた。飾り物ではなく、男優を引っ張るパワーのある女性スターが望まれた。そんな時代に登場したのがベティ・デイヴィス、直後にはキャサリン・ヘプバーンであった。 彼女は他の女優が嫌がる様な役や尻込みする役を積極的に演じ、迫真の名演技で観客をスクリーンに釘付けにした。「フィルムのファースト・レディ」("The First Lady of the American Screen") と呼ばれるゆえんである。
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