中小事業者の事前統合
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1939年の日本発送電設立に帰結する1930年代後半の電力国家管理への流れの中、全国的に小規模事業者の統合が盛んになった。日本海電気でも1938年5月23日山崎水電、9月30日大岩電気、翌1939年2月野積川水力電気・上中島水力電気、10月能越電気、1940年3月28日音川物産の順に各社から事業を譲り受けている。 山崎水電株式会社 1920年2月設立。同年12月、下新川郡山崎村(現・朝日町)のみを供給区域として開業した。 大岩電気株式会社 1912年8月に中新川郡大岩村(現・上市町)で開業した大岩山電灯合資会社が前身。1913年7月資本金10万円の大岩電気株式会社へ改組し、1915年に大岩発電所、1919年に滝橋発電所を建設。供給区域を大岩村以外にも中新川郡・上新川郡の各一部にも広げた。1926年に高岡電灯の傘下に入る。しかし供給区域の地理的関係から高岡電灯ではなく日本海電気へと統合された。 野積川水力電気株式会社 1919年8月設立。1920年9月、野積川に猟師ヶ原発電所を建設し、婦負郡山間部の野積村・仁歩村(現・富山市)の2村を供給区域として開業した。電灯供給は小規模で、日本海電気など他の電力会社への売電が主たる事業であった。 上中島水力電気株式会社 1921年1月設立。下新川郡上中島村(現・魚津市)の小事業者で、同年7月に開業した。 能越電気株式会社 1922年に「安居電気工業株式会社」として設立され、1924年に能越電気へ改称。1923年11月、富山県氷見郡と石川県鹿島郡にまたがる地域を供給区域として開業した。 音川物産株式会社 1920年3月に設立された木綿・織物製造会社。1924年より婦負郡音川村(現・富山市)で電灯供給を始めた。 これらの小事業者とは別に、1938年1月、日本海電気は業界大手の大同電力から立山水力電気の株式を買収した。買収の結果、山田昌作が同社社長にも就任している。同社は早月川に3つの水力発電所を持ち、伏木港所在の工場や日本海電気・高岡電灯などに電力を供給していた。
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