中小事業の統合
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「中央電力 (1938-1942)」の記事における「中小事業の統合」の解説
新発足した中央電力では、中小事業者整理の国策に従い1938年12月の豊川電気統合を皮切りに半年間で合計7つの事業を統合し、供給区域を拡大した。それぞれの概要は以下の通り。 豊川電気株式会社 1938年12月事業譲り受け。当時の資本金は30万円。 供給区域は愛知県のうち北設楽郡田口町・名倉村・段嶺村(現・設楽町)および南設楽郡海老町・鳳来寺村・長篠村(現・新城市)。会社自体は1924年に設立され、田口町において1917年に開業した三河木材電気部(旧・田口電灯)を買収して電気事業を経営していた。 旦開水力電気株式会社 1939年1月事業譲り受け。当時の資本金は10万円。 供給区域は長野県のうち下伊那郡旦開村(あさげむら、現・阿南町)と神原村(現・天龍村)。旦開村の有志に伊那電気鉄道関係者からの出資も加えて設立。旦開村と神原村の境界早木戸川に小発電所を設け、1922年6月に開業した。 東邦電力豊根区域 これのみ事業の一部を譲り受けたもの。1939年3月1日付で東邦電力の供給区域のうち愛知県北設楽郡豊根村の部分を譲り受けた。村内の豊根発電所の存在ゆえ同社は1923年から配電していた。 本郷電気製材株式会社 1939年4月事業譲り受け。当時の資本金は5万円。 供給区域は愛知県のうち北設楽郡本郷町・下川村・園村・御殿村(現・東栄町)および振草村(現・東栄町・設楽町)。1918年12月の開業だが一貫して発電所を持たない配電専業であった。 大野電気株式会社 1939年4月事業譲り受け。当時の資本金は10万円。 供給区域は愛知県のうち八名郡大野町・南設楽郡長篠村・同郡鳳来寺村(現・新城市)および北設楽郡三輪村(現・新城市・東栄町)。会社自体は1919年に設立され、大野町において1912年に開業した大野製材の電気事業を買収して電気事業を経営していた。 熊村電気合資会社 1939年4月事業譲り受け。当時の資本金は1万5500円。 供給区域は静岡県のうち磐田郡熊村(現・浜松市天竜区)。村内に小水力発電所を建設し1912年12月に開業した。 奥山電灯株式会社 1939年4月事業譲り受け。当時の資本金は10万円。 供給区域は静岡県のうち周智郡水窪町・城西村(現・浜松市天竜区)。水窪町に設立された小事業者で、町内の河内川に発電所を置いて1919年1月に開業した。 以上の事業統合を完了した1939年5月末時点における中央電力の供給成績は、電灯数6万2605灯、電力供給690.0馬力(514.5キロワット)、電熱供給75.1キロワット、ラジオ設置台数2215台、特約電力供給1万3109.1キロワットであった。
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