中央アンデス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 02:05 UTC 版)
ペルーに入るとアンデス山脈は、海岸沿いの西部山脈とアマゾンに面する東部山脈、そしてその中間の中央山脈に分かれ、それぞれ南北に並行して伸びる。ペルー北部においてはアンデスの幅は南部に比べればそれほど広くはなく、カハマルカなどの都市が点在するものの人口は多くない。ペルーにおいてもエクアドルと同じく、シエラとコスタの対立構造があるものの、ペルーでは海岸地方の開発が進んでおり、大都市の多くは海岸地方にありペルー人口の半分以上も海岸地方に居住するため、アンデス山地の経済比重は海岸部に比べ低い。 ペルー南部に入り、南緯15度以南では山脈の幅が広がり、南緯28度くらいまで最も幅の広い地区となるが、この中でも最も広くなるボリビアでも幅は600km程度にしかならない。しかし、この地区のアンデスはペルー南部からボリビアにかけて、高度3500mから4500mあたりに広大で平坦な高原であるアルティプラーノ(海抜約4,000m)が広がっている。そこにはチチカカ湖やポーポー湖などの湖が広がり、ボリビアの首都ラパスやインカ帝国の首都だったクスコなどの大都市があって、ボリビアの人口の大半はこの高原部に集中している。その北も高原や肥沃な谷が広がっており、多くの人々が居住する。山脈が分かれた間には平坦な土地も多い。また、アンデスの西部山腹にはペルー第2の都市であるアレキパがある。 ボリビアに入ると、西部にはアルティプラーノが広がり、首都ラパスのほか、20世紀に入り世界最大の錫鉱山としてボリビア経済を支えたオルロ、16世紀より世界最大の銀鉱山として栄えたポトシといった古い鉱山都市が点在する。アルティプラーノは南部に行くにしたがって乾燥していき、南西部には巨大な塩湖であるウユニ塩湖が広がる。一方、アルティプラーノの東に広がる東アンデス山脈地方は、高度がアルティプラーノよりも低く、地形は険しいものの肥沃な谷間が各地に点在し、農業生産力の高い地域である。このため、コチャバンバやスクレなどの都市が生まれ、ボリビア経済を支える地域となってきた。とくにコチャバンバ盆地は、オルロやポトシへの食糧供給基地として繁栄してきた。また、首都ラパスの北東に位置するユンガス地方は、アンデスの東麓にあたり、アマゾンから吹いてくる風の影響で暑く湿った気候となっている。このため霧が非常に多い。この地方も温暖なため農業生産力が高く、首都ラパスの食糧供給を担っている。しかし、地形は非常に険しく、とくにラパスとユンガスとを結ぶユンガスの道は重要な幹線であるにもかかわらず非常な悪路として知られており、2006年に新道が開通するまで年に100人近い死者が出ていた。
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