中国側の発表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 16:20 UTC 版)
中国国民党は当初から「黄河決壊事件は日本軍が引き起こしたものである」との発表を行っていた。6月11日午前、中国国民党の通信社であった中央社は「日本の空爆で黄河決壊」という偽情報を発信した。6月13日には全土の各メディアが「日本軍の暴挙」として喧伝した。 各国メディアはこの発表に対しては慎重な姿勢を示した。また、日本側も中国側の発表を否定するコメントを出した。 中国側からは、最初は黄河の堤防破壊は堤防の影に避難している中国軍を日本軍が砲撃および爆撃した時になされたものであるとの説明がなされ、後には事件は日本軍によって意図して行われたことであり、中牟と鄭州地区にある中国軍陣地への水攻めとし、かつ後方連絡を脅かすゲリラに対する戦略であり、広東への絶え間ない無差別爆撃と同様に中国民衆を威嚇する日本軍の作戦の一部とされた。さらに報告では日本軍機による中牟北部の堤防への爆撃が続けられ、これが洪水を悪化させ、かつ日本軍は洪水の被害を受けた地区からの避難民を機関銃で銃撃していることが説明された。 日本側は「開封の堤防破壊は中国軍に強制された農民によるもの」との声明を出し、日本軍は自軍の前進を妨げる洪水を引き起こすことはなく、また堤防の大きさを考慮すれば爆撃と砲撃によって堤防を破壊することは不可能だったと主張した。 なお、日中双方とも破損した箇所を塞ぐため、農民の援助を得ながら懸命な努力をしていると主張していた。
※この「中国側の発表」の解説は、「黄河決壊事件」の解説の一部です。
「中国側の発表」を含む「黄河決壊事件」の記事については、「黄河決壊事件」の概要を参照ください。
- 中国側の発表のページへのリンク