中傷犯の一斉検挙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:16 UTC 版)
「スマイリーキクチ中傷被害事件」の記事における「中傷犯の一斉検挙」の解説
警察はここで初めて、警告後も中傷コメントを書き込んでいたインターネットユーザー1名の身元を特定し、中野警察署へ任意同行を求めた。この犯人は「二度としません」と発言するなど反省したようなそぶりを見せたが、その3時間後に「殺人犯のくせに警察に密告するとはどこまで卑怯だ」などといった内容の中傷コメントをネット掲示板に書き込んだ。当初、警察およびキクチは一旦注意をすれば中傷が収まると考えていたが、犯人たちのネット中傷再犯の可能性の高さが予想以上に深刻なレベルにあると判断し、遂に警察は「悪質性の高い書き込みを厳選して、該当する者は一斉摘発する」方針へと切り替えた。 その後、2008年9月から2009年1月までに、キクチに対して中傷書き込みを行った犯人の身元を1200〜1300人以上も特定、最終的には特に書き込み内容や犯行回数などが明確に刑法違反のレベルにあると判断された計19人の中傷犯が検挙された。捜査で判明した中傷犯たちの居住地は北海道から大分県まで日本全国に及んでいたが、警視庁の刑事が実際に犯人たちの居住地に出向いて摘発した。犯人たちの摘発時の年齢は半数近くが30代後半だったが、最年長は47歳で、最年少は17歳だった。中には妊娠している者もいた。既婚で子女がいることが判明している犯人もいた一方で、精神の病にかかっている可能性のある犯人も4分の1近くいた。大手企業社員、コンピュータプログラマー、会社セキュリティ部門の責任者、会社の通信システムを利用して中傷コメントを書き込んだ者もいた。また、国立大学職員もいたが、その勤務先は8年前の2000年の捜査で書き込み場所として特定された国立大学であった。 取り調べをした刑事たちは中傷犯たちの雰囲気を「どこにでもいる大人しそうな感じ」と評し、キクチも警察から見せられた中傷犯たちの顔写真から「怪しい目つきの2人を除き、どこにでもいる普通の人」という印象を持った。 なお、中傷犯たちは実際の殺人事件とは何の関係もなく、互いの中傷犯同士や被害者のキクチとも実生活で一切面識がなかった。
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