中備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 14:20 UTC 版)
なかぞなえ。和様建築の疎組において柱上に位置する組物と組物の中間にあり、上からの荷重を下の横架材に伝える部材。その形状によりいくつかの種類がある。 間斗束(けんとづか) - 斗を乗せた束。 撥束(ばちづか) - 間斗束に似るが、束が末広がりなっているもの。 蓑束(みのづか) - 間斗束の上部に唐草や渦の彫刻が施されているもの。 鎌倉時代に発生した。 蟇股・蛙股(かえるまた) - カエルが両脚を広げたような形状をしているもの。 奈良時代以降に用いられる。 厚板で出来ている板蟇股と中央を空洞とした本蟇股があり、本蟇股には時に絢爛な彫刻が施され、それ自体が鑑賞の対象となることもある。 双斗(そうと・ふたつと) - 斗の上に短い肘木を乗せ、それに巻斗を二つのせたもの。 花肘木(はなひじき) - 複雑な曲線で意匠化した双斗。 大瓶束(たいへいづか) - 瓶のような丸い束。 人字形割束(ひとじがたわりづか) - 八の字の形をした割束。法隆寺などに見られる。 間斗束 石山寺本堂 撥束 東大寺回廊 蓑束 東大寺俊乗堂 花肘木 法隆寺南大門 板蟇股 長谷寺登廊 本蟇股 談山神社末社惣杜本殿 本蟇股 日光東照宮回廊の眠り猫 人字形割束(叉首) 法隆寺回廊
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