三陸沖(海域名)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 01:39 UTC 版)
太平洋における海域、あるいは漁場の名称として「三陸沖」が用いられる。親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかる世界三大漁場の1つである。 三陸沖では、高度に発達した貝塚文化が縄文時代前期に誕生し、骨角製漁撈用具は現在使用されている漁具の原型と考えられ、質・量ともに日本を代表する漁場であり水産日本のルーツとも呼ばれる。 「三陸沖」は狭い範囲から並べると以下のようなものがある。 三陸海岸の太平洋側の海域青森県八戸市・鮫角岬(概ね北緯40度32分)の正東線から宮城県・金華山(概ね北緯36度17分)の正東線までの海域。 令制国の三陸の太平洋側の海域。陸奥国北端にあたる下北半島・大間崎の正東線(概ね北緯41度30分)から、陸前国と磐城国の国境にあたる阿武隈川河口の正東線(概ね北緯38度)までの海域。 青森県八戸以南・岩手県・宮城県松島以北の太平洋側の海域。1の三陸海岸に沿う陸路という意味合いで使用され、この場合、宮城県松島以南は「常磐沖」として扱われる(例:常磐線)。 東北地方の太平洋側の海域。勿来以北の太平洋側の海域。青森県北東端にあたる下北半島・尻屋崎から東南東へ引いた線を北限とし、福島県と茨城県の県境の正東線(概ね北緯36度51分)を南限とする海域。西端は東北地方の太平洋側の海岸線、東端は350海里線とみられる。東経145度を境に西側を「三陸沖西部」、東側を「三陸沖東部」とする。三陸沖を東西の海域に分ける東経145度線は概ね海岸線から200海里にあるため、「三陸沖西部」は日本の排他的経済水域である。 青森県北端にあたる下北半島・大間崎の正東線(概ね北緯41度30分)から、福島県と茨城県の県境の正東線(概ね北緯36度51分)までの海域。 国の機関では、2の令制国の範囲を「三陸沖」とする例が見られるものの、4にあたる勿来以北の沖合いを「三陸沖」とする場合が多い。海上の天気予報は4-1を用いる。ただし、地震の名称では、1にあたる三陸海岸の沖合いを「三陸沖(三陸沖地震)」としている。一方、「三陸沖」に対して、福島県浜通り及び茨城県にかけての沖合いは「常磐沖」と呼ばれることもある。
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