ワーグナー唯一の「歴史ドラマ」とは? わかりやすく解説

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ワーグナー唯一の「歴史ドラマ」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 19:18 UTC 版)

ニュルンベルクのマイスタージンガー」の記事における「ワーグナー唯一の「歴史ドラマ」」の解説

ニュルンベルクのマイスタージンガー』はワーグナー作品の中で唯一神話伝説でなく歴史取材したドラマである。ワーグナーは、ヨハン・クリストフ・ヴァーゲンザイルの『ニュルンベルク年代記』をはじめとする数々文献読み込みながら、独自のドラマ設定仕立て上げている。 物語の中心となるのは、16世紀ニュルンベルク史実でも靴屋親方マイスタージンガーとして活躍したハンス・ザックス1494年 - 1576年)である。ザックスは、当時宗教改革主導者マルティン・ルター思想共鳴し1523年に『ヴィッテンベルク(Die Wittenbergisch Nachtigall)』の詩を発表してドイツ中にその名を知られる存在となったオペラ第3幕第5場でニュルンベルク民衆が歌うコラール目覚めよ、朝は近づいた」の歌詞は、ザックスの『ヴィッテンベルク』から冒頭一節基づいている。また、妻に先立たれ独り身となったのはオペラ同様だが、史実ザックス再婚している。 ザックスマイスタージンガーたちの活動は、17世紀以降衰退し忘れられていたが、ザックス没後200年1776年ゲーテが詩『ハンス・ザックス詩的生命』を発表したことがザックス復権嚆矢となった18世紀ドイツでのロマン主義ナショナリズム高揚によって、ニュルンベルクドイツ民族精神揺籃の地として再び注目を集めるようになり、文芸作品ザックスはじめとするマイスタージンガーたちが扱われるようになった詳細についてハンス・ザックスの項を参照のこと)。後述するとおり、本作においてニュルンベルクワーグナーによって多分に美化理想化されているが、これは18世紀末ルートヴィヒ・ティークやヴィルヘルム・ヴァッケンローダーが古都ニュルンベルク称えたロマン主義的中憧憬系譜を継ぐものといえる。 なお、ティーク/ヴァッケンローダーの共著『ある修道僧真情披瀝』では、ニュルンベルク黄金期を「ドイツ祖国芸術を誇ることのできた唯一の時代」として回顧し実在ザックスとほぼ同時代ニュルンベルク活躍した画家アルブレヒト・デューラー1471年 - 1528年)を「我らが誇るべき先祖」として称えている。デューラーは、第1幕エファとマクダレーネの会話ダヴィデ像画家として言及されており、マルティン・ルター音楽面でのヨハン・ゼバスティアン・バッハ並んで、この作品時代的地域的彩り添え重要な隠し味となっている。

※この「ワーグナー唯一の「歴史ドラマ」」の解説は、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の解説の一部です。
「ワーグナー唯一の「歴史ドラマ」」を含む「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の記事については、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の概要を参照ください。

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