ワインコフ・ホテル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 15:36 UTC 版)
「ワインコフホテル火災」の記事における「ワインコフ・ホテル」の解説
ワインコフ・ホテルは、1913年にアトランタで最も丈高い建物の1つとしてオープンした。設計を担当したのはウィリアム・リー・ストッダート(英語版)である。この鉄骨構造の建物は、ピーチツリー・ストリート(Peachtree Street)、エリス・ストリート(Ellis Street)、および路地に囲まれた、62.75フィート (19.13 m) × 70フィート (21 m)の小敷地に、階あたり4,386平方フィート (407.5 m2)で建てられた。客室は3階から15階に及び、典型的なひとつの階には15室あった。客室階の廊下は、エレベーター2基と複数のクロス・ホールに開いている複数の昇り階段とともに、H型に配置され、Hの複数の脚からたった一つの踊り場に収束する複数の降り階段を向かい合わせていた。非可燃構造のたった一つの階段は、耐火扉で囲まれていなかった。高層ビルでは複数の階段の使用が普通になりかけていた一方で、1911年のアトランタ建築規則では、5,000平方フィート (460 m2)に満たない敷地の建物は単一の階段を持つことが許されていた。鉄骨構造は、構造粘土タイル(structural clay tile)とコンクリート耐火(concrete fireproofing)で保護されていた。このホテルは、広告やノベルティを通じて、「火災に強い」("absolutely fireproof")と宣伝していた。 一方で、廊下~客室間の壁を含む、内装の仕切りは、石膏で覆われた中空の粘土タイルだった。部屋のドアは1.5-インチ (3.8 cm)の木材でできており、各ドアの上方には、部屋~廊下間の換気のための可動な欄間窓(transom)パネルがあったが、これは厚さ.5インチ (1.3 cm)に満たない木製パネルで閉じられていた。廊下の壁は、羽目(wainscot)の高さまで伸びた、彩色されたバーラップ織りの布で仕上げられていた。客室は、7層もの壁紙で仕上げられていた。このホテルには、フロント・デスクから手動で操作される中央火災警報システムと、各階にホース・ラック付きの直立管(standpipe)があった。自動スプリンクラー・システムはなかった。 ワインコフは、アトランタ消防救助署(Atlanta Fire Rescue Department)の消防車2台と2つの梯子隊から2ブロック以内にあって、うち1つはホテルから30秒以内にあった。
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