ロングストロークピストン式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 04:16 UTC 版)
「ガス圧作動方式」の記事における「ロングストロークピストン式」の解説
FN MAGの構造断面図 Rk 62の構造 K2ライフル ピストンがボルトキャリアと同じ距離を移動して作動する方式。 多くの場合、ピストンがボルトキャリアと一体化した構造となっており、ガス導入孔から導かれた発射ガスの圧力で後方に押されたピストンおよびボルトキャリアが後退し、遊底の閉鎖を解除して後退させる構造となっている。 構造が比較的単純で各部品を大きく作れるため、高強度の設計が可能である。また、ボルトグループ(ピストン、ボルトキャリア、遊底)の質量・慣性が大きくなるため作動が安定する。一方で、重いボルトグループの作動により重心変動が大きく、遊底が最後部まで後退した時の衝撃も大きくなるため、フルオート連射時の命中精度の低下を招きやすく(とくに通常の肩撃ちでは)射手への負担も大きいという欠点も有する。。 正確な狙撃よりも弾幕展開が主目的であり、かつ据え置きでの運用が基本となるゆえ、取り回しの良さや連射時の命中精度よりも堅牢な構造と確実な作動が要求される機関銃の多くで採用されてきた方式である。自動小銃としては、旧ソ連の広い領土に分布する多様にして過酷な自然環境にも適応しうる耐久性・信頼性を重視したAK47や、それを参考にして開発された東側陣営の小銃において採用された。西側陣営においても、弾薬の小口径化にともない銃器の軽量化や反動の軽減が達成されることで「取り回しが悪い」「命中精度が低い」というデメリットがある程度は回避できたため、1970年代から1990年代の間に開発された小銃の大多数で採用された。 採用例 ホチキス機関銃 ルイス軽機関銃 BAR ZB26 ブレン軽機関銃 十一年式軽機関銃 九六式軽機関銃 九九式軽機関銃 M1ガーランド AK-47 PK機関銃 FN MAG ミニミ軽機関銃 ガリル FN FNC K2自動小銃 SAR21 ベレッタAR70/90 SIG SG550 89式5.56mm小銃 など
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