レノボによる買収
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「ThinkPad」の記事における「レノボによる買収」の解説
2004年12月8日、IBMとレノボはパーソナルコンピュータ事業のレノボによる買収を含む戦略的提携を発表した。この対象にはThinkPadやNetVistaなどの製品、ブランド、PC部門(IBM PC事業部、PCC)が含まれ、PCサーバのeServer xSeriesなどは含まれなかった。この結果、ThinkPad開発の主体を担っていた日本IBM大和事業所の技術者の大半もレノボ社に移籍した。2015年現在では、x86サーバ・ワークステーション事業も、ThinkServer/ThinkStation としてレノボに移管されている。 特にThinkPadは市場で高いブランドを認知されていたため、買収後のブランドや品質・サポートの維持について多くの報道や議論が行われた。 レノボ買収後の最初のThinkPadは、2005年7月のB5サイズタブレットPCであるThinkPad X41 Tabletである。これはIBM時代に開発が進められたモデルで、伝統的なThinkPadの延長線上に、タブレット機能や指紋認証を搭載した。 実質的に最初のLenovo ThinkPadとなった製品は、2005年10月発売のThinkPad Zシリーズである。これは、従来のThinkPadの多くのモデルでは採用していなかった14 - 15インチワイド液晶や、Windowsキー付きのキーボード、チタンコーティングを施したシャンパンカラーのトップカバーなどを採用し、従来のThinkPadと比較すると相違点も多かった。その後もレノボはThinkPad TシリーズやXシリーズの新製品を発表したが、大半のモデルではIBM ThinkPad時代の基本デザインが継承された。 なお、レノボは2006年2月にThinkPadとは別に、比較的低価格なLenovo 3000シリーズ(ノートブックおよびデスクトップ,、現在のバリューラインシリーズ)の販売を開始し、その後継のGシリーズを販売した。これらはThinkPadの特徴であるトラックポイントや、つや消し黒の筐体を採用せずに、小さめのタッチパッドなどを持った。このためThinkPadシリーズの将来性が話題となったが、レノボはThinkPadは今後も世代進化を続け、Lenovo 3000は「ターゲット層が異なる」と説明した。 2006年10月頃より、ThinkPad関連製品でIBMロゴからLenovoロゴへの移行が進められた。ThinkPad本体のモデルナンバーの横や、ThinkPad向け純正周辺機器などである。ただし型番の変更無しにも行われたため、同じ型番でも出荷時期などでロゴの有無や違いも存在した。レノボは2010年までIBMロゴの使用を許されていたが、2007年にはLenovoブランドが世界で順調に浸透しているとして、計画を繰り上げて2008年までにLenovoロゴへの移行を行った。
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