レストランの位置を検索して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 00:45 UTC 版)
「ナイトホークス (美術)」の記事における「レストランの位置を検索して」の解説
場面は、マンハッタンのホッパーの自宅の近隣のグリニッジ・ヴィレッジの小食堂(その後、取り壊された)が着想のモデルとなった、とされていた。ホッパー自身は、絵は「2つの通りが交わるグリニッジ・アヴェニュー(Greenwich Avenue)のレストランに示唆された」と言った。そのうえ、彼は「わたしは場面を大幅に単純化し、レストランをより大きくした」と注した。 この言及が、ホッパーの熱狂的愛好者らを、モデルとなった小食堂の位置を探すことに従事させてきた。この探索のインスピレーションは、これらの探索者のひとりのブログに要約されている:「わたしは、ナイトホークスの小食堂が現実の食堂であって、画家の想像のなかで食品雑貨店、ハンバーガー屋、パン屋をすべて急ごしらえした、まったくの合成ではないという考えを忘れることはきわめて難しいと思っている。」 以前の位置とたいてい関連づけられた地点は、ワシントン・スクエア(Washington Square)のホッパーの工房からほぼ7ブロック西の、グリニッジ・アヴェニュー(Greenwich Avenue)の7番街南(Seventh Avenue South)と西11丁目(West 11th Street)の交差点の、マルリー・スクエア(Mulry Square)として知られる、今は空き地である。しかしながら、ブロガーであるジェレミア・モス(Jeremiah Moss)による『ニュー・ヨーク・タイムズ』の記事によれば、ガス・ステーションが1930年代から1970年代までその区画を占めていたから、ここは、絵を霊感によって生み出した小食堂の位置であるはずがない。 モスは、「いつか1930年代後半と1950年代前半とのあいだに、新たな小食堂がマルリー・スクエアの近くに現われた」ことを示す、1950年代の市の地図帳のなかの土地利用地図を見出すことができた。具体的に言えば、小食堂は、ガス・ステーションのすぐ右方向に、「北の空き地にではなくて、ペリー・ストリート(Perry Street)が斜めになる南側に」位置した。この地図は『タイムズ』の記事には複写されていないが、しかしモスのブログには示されている。 グリニッジ・ヴィレッジのあちら側からこの土地に向かって北西を向いている、レストランの想像上の位置のこの同時代の写真は、もし通りのこちら側から眺めれば、 - 小食堂の全くの非存在をのぞけば - ホッパーの場面によく似ているであろう位置を示す。市の地図上で同一視された小食堂は、ガス・ステーションの右方向に、3つのアーチのある、より小さな建物に見つけるであろう。もしそういう小食堂があれば、それは幅が狭く、奥行きが深いであろうし、どうやら仕切り席があるであろうし、絵の小食堂とはあまり似てはいないであろう。 モスは、ホッパーの言うとおりを信じるべきであるという結論に至った:絵は、実生活のレストランによって「示唆された」にすぎないし、彼は「場面をおおはばに単純化した」し、彼は「レストランをより大きくした」。つまり、ホッパーが創造したものと同一の、唯一の現実生活の場面は十中八九ないであろうし、たとえそれが存在したとしても、正確な位置をピンで刺し示すだけの証拠はもはや無い。モスは結論する、「究極の真実は苦々しくも、手の届かないところにあるままである。」
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