ラルド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 13:40 UTC 版)
ラルド(イタリア語: lardo)は豚の脂肪をさすイタリア語。また、豚の背脂を塩漬けまたは燻製にしたものもさすが[1]、本項ではこの部位およびこれを用いた加工食品について主に記載する。フランスではラール(フランス語: lard)といい、これも背脂に限定しない場合もある[2]。
脂肪に水を加え、加熱してから漉したもの[3]についてはラードの項を参照。なお、日本においては「ラルドはラードのイタリア語読み」と紹介されることがあるが[4][5]、本項で扱うラルドはあくまでもラルド(lardo)であり、ラード(英語: lard イタリア語ではstruttoという[3])とは明確に別のものである[5]。
歴史
語源はラテン語のlardum[6]。古代からギリシア、ローマでは食用に用いられた[7]。21世紀現在でも利用されている食材であり、例えばイタリア北部で生産が続けられているラルド・ディ・コロンナータはラルドの塩漬けであるが、2000年以上前のギリシャ人によって考案されたと言われている[8]。
部位と用法
この食材は豚の背の部分のうち、脂肪とゼラチンを含んだ皮の、すぐ下(内側)に位置する[9]。フランス料理においてはこの部位のうち、背に近い部位はlard dur(かたいラール)、逆に内側のほうはlard fondant(溶けるラール。ラードの製造に用いる)と呼び区別する[6]。
冒頭に示したように塩漬けまたは燻製にする場合、保存が効くようになる[10]。これを薄くカットしてそのまま、またはパンにのせて食す[11]。
以下に示すような調理法においても使用される。
- 肉をローストする際に表面に巻き、直接過熱されることを防ぐ目的に使用する。盛り付けの際には取り除かれる[12]。同様にオーブンする際に食材を覆う使い方もある[6]。
- 煮込みをする際に鍋に敷く[12]。
- かたくなるまでソテーし、煮込み料理の香り付けやサラダのトッピングに用いる[13]。
- 肉のかたまりに専用の器具(ラルデ針 lardoire)を用いてラルドを注入し、肉に脂肪分を加えることによりうまみと柔らかみを追加する。断面を美しくする効果もある[13]。
豚の背脂を長い棒状に切ってラルデ針を使用して肉の内部に刺し込むことをフランスではラルデ(larder)と呼ぶ[14]。
ラルドの例
銘柄のついたラルドの例を以下に示す。
- ラルド・ディ・コロンナータ - IGP認定[15]。
脚注
- ^ 近藤, 合田 & 正戸 2013, p. 80。語義の2より。一般的には先述のように脂身や脂肪のこと。部位も背脂に限定されない。
- ^ 日仏料理協会 2007, p. 333 例えば腹の部分はベーコンに利用されるように、純粋な脂身だけという形ではない。
- ^ a b 日仏料理協会 2007, p. 697
- ^ “イタリア産 ラルド”. 山方屋. 2013年12月8日閲覧。
- ^ a b “イタリアの味・ラルド”. 日本マーガリン工業会. 2013年12月8日閲覧。
- ^ a b c 日仏料理協会 2007, p. 333
- ^ 日仏料理協会 2007, p. 546
- ^ 長本 n.d., 前段
- ^ 日仏料理協会 2007, pp. 547–548。この分類はパリ式カットによって定義付けられた部位と名称。
- ^ (日仏料理協会 2007, p. 193)および(日仏料理協会 2007, p. 267)を参照。
- ^ 長本 n.d., 後段
- ^ a b 日仏料理協会 2007, p. 492
- ^ a b 日仏料理協会 2007, p. 706
- ^ Manabu GOTO. “ベーコン、ラード、豚背脂”. ごとう菜園. 2025年3月4日閲覧。
- ^ “《参考》IGP” (PDF). 食肉加工品(生ハム、サラーメ等)DOP 一覧. イタリア貿易振興会. p. 2. 2013年7月10日閲覧。
参考文献
- 日仏料理協会 編『フランス 食の事典(普及版)』株式会社白水社、2007年。ISBN 978-4-560-09202-6。
- 近藤乃里子; 合田達子; 正戸あゆみ『イタリア料理基本用語:伊和・和伊・テーマ別』柴田書店、2013年。 ISBN 9784388353439。
- 長本和子「ラルド Lardo」『長本和子のイタリア食材紀行』、i.c.t食文化企画有限会社、n.d. 。
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ラルド・ディ・コロンナータに関するカテゴリがあります。
ラルド
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「ワイルド・スピード ICE BREAK」の記事における「ラルド」の解説
キューバ一速いと言われている男。貸金業を営み、返済できない客から車を差し押さえている。従兄弟を助けようとするドミニクの提案で自身の車を賭けたレースを受ける。
※この「ラルド」の解説は、「ワイルド・スピード ICE BREAK」の解説の一部です。
「ラルド」を含む「ワイルド・スピード ICE BREAK」の記事については、「ワイルド・スピード ICE BREAK」の概要を参照ください。
「ラルド」の例文・使い方・用例・文例
- ニューヨークヘラルド紙
- 大きなエメラルドがブローチにはめられた
- エメラルドの宝石
- エメラルドの指輪.
- ニューヨークヘラルド紙.
- エメラルドグリーンのカーテンが赤いカーペットを引き立てている.
- ジェラルドは、疑わしそうに頭を振った
- ダイヤモンド、サファイア、ルビーおよびエメラルドは宝石である
- エメラルドの緑色
- ペルシャの詩人、数学者、天文学者で、彼の詩はエドワード・フィッツジェラルドの翻訳によって普及した(1050年−1123年)
- カットして研磨した透明なエメラルド石で高価な宝石として評価されている
- 米国の1920年代で、F・スコット・フィッツジェラルドの小説で、富、若い活力、および気ままな快楽主義の時代として特徴づけられる
- エメラルドという宝石
- ウラリアンエメラルドという宝石
- エメラルドグリーンという色
- ライス博士の手中に落ちる前に箱を見つけようと,ララは元恋人のテリー・シェリダン(ジェラルド・バトラー)と組む。
- ある日,31歳のウェイトレス,マギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)がフランキーのところへやってきて,ボクサーになりたいと言う。
- 透き通ったエメラルドグリーンの水や豊かな野生生物が世界中から人々を引きつけている。
- ハラルド5世国王と妻のソニア王妃を含めたノルウェー王室のメンバーやイェンス・ストルテンベルグ首相も礼拝に参列した。
- この船は「エメラルドエース」という名の自動車運搬船だ。
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