ヨット-ハーバーとは? わかりやすく解説

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ヨット‐ハーバー【yacht harbor】

読み方:よっとはーばー

ヨット専用停泊場。

ヨット‐ハーバーの画像
ハワイマイアミのアラワイヨットハーバー

マリーナ

(ヨット-ハーバー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 02:06 UTC 版)

ロストックのヨットクラブ『Hohe Düne』

マリーナ: marina)は、ヨットモーターボートなどのプレジャーボート類を係留保管する機能を持つ港湾施設である。ヨットに特化したマリーナは、ヨットハーバー: yacht harbor)とも呼ばれる。マリーナは、スペイン語[maˈɾina]ポルトガル語[mɐˈɾinɐ]イタリア語[maˈriːna] など、「海に関するもの」の語に由来するが、語彙としては海洋のものに限らず、河川運河といった内陸部の埠頭や波止場にも広く用いられる。

基本的にレジャー用の船(プレジャーボート)のみを対象とした産業用でないものの施設であり、漁船が利用する「漁港」や、旅客船貨物船などの商船が利用する「商港」とは異なる。

ただし、後述するように、日本においては水産庁主導で、「漁港」の一部を「マリーナ」として活用する「フィッシャリーナ」(fisharina)という概念・利用形態も広められている。

概要

ワイキキの『アラワイ・ハーバー』

マリーナは、港を中心とした様々な施設の集合体である。係留桟橋防波堤・消波堤、ドック、休憩・宿泊施設の他、プールクラブハウスなどの娯楽施設も設けられる。オリンピックセーリング競技ボートショーの会場としても利用される[1]小型船舶操縦免許証取得のための講習や、救難とその指導、気象・海象の解析とその情報提供も行う。

多くは航海の途中の「ビジター」が自由に立ち寄れる「ビジターバース」(visitor berth)を備えているが[2]、クラブ専用の会員制マリーナも存在する。日本では第三セクター方式での運営が多い[3]

日本独自の取り組み

日本では、国土交通省(運輸局・海事振興部・船舶産業課)主導で「海の駅」の整備が、水産庁(漁港漁場整備部・計画課)主導で「フィッシャリーナ」(fisharina)の整備が、それぞれ進められている[4] [5] [6]

船を保管する場所が少ない小規模な一部のマリーナでは不法な長期係留が常態化しており、津波で流された船が被害を引き起こした例もあることから、地上で保管する施設の整備が行われている[7]

海の駅

「海の駅」とは、施設・サービス・地域連携などが整っているマリーナに対して、国土交通省の地方運輸局および海の駅ネットワーク設置認定委員会で認定・登録を行なっていく制度である[4]

道の駅」の海版であり、中には「道の駅」と「海の駅」を兼ね備えた施設もある。

フィッシャリーナ

「フィッシャリーナ」(fisharina)とは、水産庁によって推進されている、漁港の一部をマリーナとして利用・活用する複合施設のこと[5][6]

「フィッシャリーナ」(fisharina)という言葉は水産庁による造語であり、意味からすれば「fishing port (漁港) + marina (マリーナ)」の混成語のように思えるが、水産庁の説明では「fish (魚) + arina (アリーナ/劇場)」の合成語とされている[5][6]

「海の駅」と同じように、フィッシャリーナ認定委員会による認定制度があり、水産庁と国土交通省の連携により、認定されたフィッシャリーナは「海の駅」の認定・登録の支援もある[5]

フィッシャリーナとは別にプレジャーボートの係留を認めている漁港もあるが、漁業者とのトラブルも発生している[8]

日本の主な施設

北海道地方

  • 余市フィッシャリーナ(余市町)
  • 豊浦フィッシャリーナ(豊浦町)
  • 小樽港マリーナ(小樽市)
  • 小樽市祝津ヨットハウス(小樽市)
  • 銭函ヨットハーバー(小樽市)
  • 勇払マリーナ(苫小牧市)
  • エンルムマリーナ室蘭(室蘭市)
  • 江差港マリーナ(江差町)

東北地方

  • 青森マリーナ(青森県)
  • 浅虫ヨットハーバー(青森県)
  • 青森セーリングクラブ(青森県)
  • 十和田湖マリーナ(青森県)
  • 種市フィッシャリーナ(岩手県)
  • 互洋大船渡マリーナ(岩手県)
  • リアスハーバー宮古(岩手県)
  • 秋田マリーナ(秋田県)
  • 男鹿マリーナ(秋田県)
  • 本荘マリーナ(秋田県)
  • 東北マリン浜田マリーナ(宮城県)
  • 宮城ボートマリーナ(宮城県)
  • 花渕浜小浜ヨットハーバー(宮城県)
  • 松島ヨットハーバー(宮城県)
  • 閖上ヨットハーバー(宮城県)
  • 鼠ヶ関マリーナ(山形県)
  • 磐梯マリーン松川浦支店(福島県)
  • いわきサンマリーナ(福島県)
  • 翁島港マリーナ(福島県、猪苗代湖
  • 中田浜マリーナ(福島県、猪苗代湖)
  • 桧原湖マリーナ(福島県)

関東地方

  • 大洗マリーナ(茨城県)
  • ラクスマリーナ(茨城県)
  • フィッシャリーナ鴨川(千葉県)
  • フィッシャリーナ保田(千葉県)
  • 銚子マリーナ(千葉県)
  • 木更津マリーナ(千葉県)
  • 東京湾マリーナ(東京都)
  • 東京夢の島マリーナ(東京都)
  • みうら宮川フィッシャリーナ(神奈川県)
  • 平塚フィッシャリーナ(神奈川県)
  • 横浜ベイサイドマリーナ(神奈川県)
  • 油壺京急マリーナ(神奈川県)
  • 葉山マリーナ(神奈川県)
  • 逗子マリーナ(神奈川県)
  • 油壺ヨットハーバー(三崎マリン、神奈川県)
  • 江ノ島ヨットハーバー(神奈川県)

中部地方

近畿地方

  • 伊勢湾マリーナ(三重県)
  • マリーナ河芸(三重県)
  • 津ヨットハーバー(三重県)
  • 志摩ヨットハーバー(三重県)
  • 大津港マリーナ(滋賀県)
  • マリーナ雄琴(滋賀県)
  • 舞鶴セントラルマリーナ(京都府)
  • アオイマリーナ(京都府)
  • 田井宮津ヨットハーバー(京都府)
  • 大阪北港マリーナ(大阪府)
  • 二色ハーバー(大阪府)
  • 淡輪ヨットハーバー(大阪府)
  • フィッシャリーナ那智(和歌山県)
  • 和歌浦フィッシャリーナ(和歌山県)
  • 和歌山マリーナ(和歌山県)
  • 神戸フィッシャリーナ(兵庫県)
  • ベルポート芦屋(兵庫県)
  • 芦屋マリーナ(兵庫県)
  • 新西宮ヨットハーバー(兵庫県)
  • 神戸市立須磨ヨットハーバー(兵庫県)
  • 木場ヨットハーバー(兵庫県)

中国地方

四国地方

  • ケンチョピア(徳島県)
  • 志度マリーナ(香川県)
  • 屋島マリーナ(香川県)
  • マリーナペラガス(香川県)
  • 瀬戸マリーナ(香川県)
  • 仁尾マリーナ(香川県)
  • 新居浜マリーナ(愛媛県)
  • 太平洋マリン(高知県)
  • 香南市ポートマリーナ(高知県)

九州・沖縄地方

  • 脇田漁港フィッシャリーナ(福岡県)
  • 新門司マリーナ(福岡県)
  • 海の中道マリーナ(福岡県)
  • 西福岡マリーナマリノア(福岡県)
  • 小戸ヨットハーバー福岡市ヨットハーバー、福岡県)
  • マリンピアむさし(大分県)
  • 富城ヨットハーバー(別府港北浜ヨットハーバー、大分県)
  • いまりマリーナ(佐賀県)
  • フィッシャリーナ宇久(長崎県)
  • ハウステンボスマリーナ(長崎県)
  • 長崎サンセットマリーナ(長崎県)
  • フィッシャリーナ天草(熊本県)
  • 宇土マリーナ(熊本県)
  • 浦城マリーナ(宮崎県)
  • サンマリーナ宮崎(宮崎県)
  • 串木野フィッシャリーナ(鹿児島県)
  • 池田湖マリーナWARNA(鹿児島県)
  • 久米島町フィッシャリーナ(泊フィッシャリーナ 、沖縄県)
  • 糸満フィッシャリーナ(沖縄県)
  • 宜野湾港マリーナ(沖縄県)
  • 与那原マリーナ(沖縄県)

世界の主な施設

脚注

  1. ^ 株式会社インプレス (2018年3月9日). “「ジャパンインターナショナルボートショー2018」、3月11日までパシフィコ横浜/横浜ベイサイドマリーナで開催”. トラベル Watch. 2021年2月8日閲覧。
  2. ^ 石巻・南浜マリーナが4月運用開始 船舶を陸上保管”. 河北新報オンラインニュース (2021年2月5日). 2021年2月8日閲覧。
  3. ^ ボートレジャーのQ&Aとリンク集 - 日本マリン事業協会
  4. ^ a b 海の駅とは - 海の駅公式サイト
  5. ^ a b c d フィッシャリーナとは - 全国漁港漁場協会
  6. ^ a b c プレジャーボート等による漁港の利用 - 水産庁
  7. ^ 石巻・南浜マリーナ4月運用開始 震災教訓、被害抑止へ”. 河北新報オンラインニュース (2021年2月4日). 2021年2月8日閲覧。
  8. ^ 富浦漁港におけるプレジャーボートの停けい泊について | 南房総市ホームページ”. www.city.minamiboso.chiba.jp. 2021年2月8日閲覧。
  9. ^ 公共マリーナ等一覧 - 浜名湖総合環境財団

関連項目

外部リンク


ヨットハーバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 08:14 UTC 版)

カサ・デ・カンポ (ドミニカ共和国)」の記事における「ヨットハーバー」の解説

カサ・デ・カンポモダンな新し400分の停泊地をヨットハーバーに持っており、イタリア建築家ジャンフランコ・フィーニ設計しポルトフィーノ似せた120トンのTraveLiftを持つ造船所備えている。この港の周囲には、レストラン売店バー宿泊所が並んでいる。

※この「ヨットハーバー」の解説は、「カサ・デ・カンポ (ドミニカ共和国)」の解説の一部です。
「ヨットハーバー」を含む「カサ・デ・カンポ (ドミニカ共和国)」の記事については、「カサ・デ・カンポ (ドミニカ共和国)」の概要を参照ください。

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