ユナイテッド・シネマ熊本
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ユナイテッド・シネマ熊本 United Cinemas Kumamoto |
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シネプレックス熊本時代(2007年撮影)
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情報 | |
正式名称 | ユナイテッド・シネマ熊本 |
旧名称 | シネプレックス熊本 |
完成 | 2004年 |
開館 | 2004年12月23日 |
開館公演 | 『ターミナル』(スティーヴン・スピルバーグ監督)他 |
閉館 | 2025年3月30日 |
最終公演 | 『白雪姫』(マーク・ウェブ監督)他 |
収容人員 | (10スクリーン)1,784人 |
設備 | ドルビーデジタル5.1ch DLP HDCS(ヘラルド・ダイナミックシネマサウンド) 4DXシアター |
用途 | 映画上映 |
運営 | ローソン・ユナイテッドシネマ株式会社 |
所在地 | 〒862-0971 熊本県熊本市中央区大江4丁目2-65 グランパレッタ熊本2階 |
最寄駅 | 熊本市電水前寺線交通局前停留場 |
最寄バス停 | 熊本都市バス「交通局前」停留所 |
ユナイテッド・シネマ熊本(ユナイテッド・シネマくまもと・United Cinemas Kumamoto)は、熊本県熊本市中央区大江の商業施設『グランパレッタ熊本』に所在していた、ローソン・ユナイテッドシネマ[注 1]運営のシネマコンプレックス(映画館)である。
2004年(平成16年)にヘラルド・エンタープライズ(後に角川シネプレックス→シネプレックスと改称)の運営でシネプレックス熊本として開業し、2016年(平成28年)にユナイテッド・シネマに改称。2025年(令和7年)3月30日、グランパレッタ熊本の営業終了に伴い閉館した[1][2]。
歴史
シネプレックスの時代
2004年(平成16年)12月23日、熊本市中央区大江に本社を置く「東亜シルク株式会社」が所有し、大和ハウスグループの「ダイワロイヤル」[注 2]が運営する大型商業施設「グランパレッタ熊本」の2階に、シネプレックス熊本が開館した[3]。シネプレックスとしては国内で7番目、九州地方としてはシネプレックス小倉(福岡県北九州市・チャチャタウン小倉内)に続く2サイト目である[3]。
当シネコンが開館する前の熊本市中央区には、1911年(明治44年)に創設し1995年(平成7年)12月にミニシアターとして建て替えられた「Denkikan」(3スクリーン)を始め、熊本東宝プラザ(4スクリーン)、熊本シネラックス(5スクリーン)、シネパラダイス(ミニシアター。1999年開業 – 2010年1月31日閉館)の4サイトが存在していたが[注 3]、開館前年の2003年(平成15年)9月15日に東宝プラザ1・2が閉館。更にシネプレックス開館後の2006年(平成18年)3月には東宝プラザ3・4とシネラックスが相次いで閉館に追い込まれた[注 3]。東宝プラザは同市南区田井島にオープンした「TOHOシネマズはません」に集約する為の閉館だったが[注 4]、シネラックスは運営会社の自己破産で廃業の憂き目に遭ったとされている[注 3]。
2009年(平成21年)12月には、熊本県出身のスザンヌ主演による映画『いぬばか』(ヨリコジュン監督)が上映され、同月6日にはスザンヌが舞台挨拶で来館した[9]。
熊本地震とユナイテッド・シネマへの改称
2013年(平成25年)6月1日にユナイテッド・シネマがシネプレックスを吸収合併したことにより、シネプレックスの全サイトがユナイテッド・シネマに運営移管されたが[10]、それに伴う屋号変更は行われず、引き続き「シネプレックス熊本」の名称が使用されていた。
2016年(平成28年)3月には、福岡県のローカルアイドルグループ「LinQ」が出演した『みんな好いとうと♪』(宝来忠昭監督)が上映され、同月21日にはメンバーの新木さくら・坂井朝香・大庭彩歌・福山果奈が舞台挨拶で来館したが[11]、LinQ来館から1か月近く経った同年4月14日に熊本地震が発生。熊本市内でも震度7を2度観測する等の甚大な被害をもたらしたことから、同館も発生翌日(4月15日)以降の休館を余儀なくされ、同時期に日本公開された『フィフス・ウェイブ』の上映予定が見送られる[12]等の影響が出た。
それから半年を経た同年10月12日に当館の営業再開が発表され[13]、同年11月23日に館名を「ユナイテッド・シネマ熊本」と改めてリニューアルスタート[14]。更に同年12月16日には県内初となる「4DX」シアターを導入した[14]。翌2017年(平成29年)3月24日には上益城郡嘉島町のイオンシネマ熊本(イオンモール熊本内)が営業再開し[15]、熊本県内の映画館・シネコンはすべて復旧した。
2018年(平成30年)制作の松竹映画『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』(吉田康弘監督)は熊本県と鹿児島県を結ぶ肥薩おれんじ鉄道が舞台となっており、先行上映された同年11月24日には同作出演の有村架純と國村隼(八代市生まれ[16])が舞台挨拶を行った。
開館以来ユナイテッド・シネマ直営館としては国内最南端であったが、2019年(令和元年)6月27日、沖縄県浦添市にユナイテッド・シネマ PARCO CITY 浦添[注 5]がオープンしたことにより、最南端の座を浦添に譲った。
2019年9月1日には『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』上映時の舞台挨拶で、同作出演声優の渕上舞・茅野愛衣・尾崎真実・中上育実・井口裕香・生天目仁美・仙台エリが来館[18]。更に同月15日には『BanG Dream! FILM LIVE』の上映で大塚紗英・西本りみ・大橋彩香が舞台挨拶を行った[19]。
コロナ禍、そして閉館へ
2020年(令和2年)4月、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により当館も臨時休館となったが、同年5月15日に営業を再開したため[20]、先述の熊本地震時のような長期休館は回避された。
2023年(令和5年)11月25日には『ガールズドライブ』(宮岡太郎監督)上映時の舞台挨拶で、同作出演者であるAKB48の倉野尾成美(荒尾市出身[注 6])が来館した[21]。
2024年(令和6年)12月2日、隣接するイオン熊本中央店の閉店にともなう[22]、グランパレッタ熊本の営業終了で、2025年3月30日に閉館することが発表された[23][24]。ユナイテッド・シネマはこの年の3月1日付で『ローソン・ユナイテッドシネマ』に社名を変更したが[25][17]、先に閉館したユナイテッド・シネマ枚方[注 7]と同様、ローソン・ユナイテッドシネマへの館名変更をすることなく営業を終えることとなった。
最終上映作は4DXシアターが同月20日から上映を開始した『白雪姫』(マーク・ウェブ監督)、419席を有したスクリーン2では『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』となり、シネプレックス時代から20年3ヵ月に及ぶ歴史に幕を閉じた。熊本県内で今世紀内に新規開業した映画館としては当館が初の閉館となっている[2]。
スクリーン詳細
スクリーンNo. | 座席数 | 備考[27] |
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1 | 164 | HDCS (ヘラルド・ダイナミックシネマサウンド) |
2 | 419 | |
3 | 375 | HDCS 3D対応 |
4 | 105 | |
5 | 105 | |
6 | 96 | 4DXシアター HDCS |
7 | 205 | HDCS |
8 | 105 | 3D対応 |
9 | 105 | |
10 | 105 |
脚注
注釈
- ^ 2024年2月29日まではユナイテッド・シネマ株式会社。
- ^ 2021年10月1日に大和情報サービスと合併し、大和ハウスリアルティマネジメントに商号変更。
- ^ a b c 熊本市の映画館「消えた映画館の記憶」を参照した[4][5][6][7][8]。
- ^ その後2019年(令和元年)9月13日にTOHOシネマズ熊本サクラマチ(SAKURA MACHI Kumamoto内)がオープンし、事実上の熊本市中央区内への再進出を果たしている。
- ^ 現「ローソン・ユナイテッドシネマ PARCO CITY 浦添[17]」
- ^ 荒尾市は1987年頃に最後まで残った「荒尾セントラル劇場」が閉館して以降、映画館やシネコンを含めて常時映画を鑑賞出来る施設が存在せず、荒尾から最も近い映画館は福岡県大牟田市にある「セントラルシネマ大牟田」(イオンモール大牟田内)となっている。
- ^ 旧「シネプレックス枚方」、2025年2月2日閉館[26]。
出典
- ^ 「ユナイテッド・シネマ熊本 2025年3月閉館のお知らせ」
- ^ a b 上島諒「熊本市初のシネコン「ユナイテッド・シネマ熊本」閉館 ファン「また戻ってきて」」『熊本日日新聞』2025年3月30日。2025年3月30日閲覧。
- ^ a b “7月1日(木)、シネコン「グランパレッタ熊本」着工 東亜シルク㈱ 初年度動員目標63万人”. くまもと経済. (2004年6月29日) 2022年8月5日閲覧。
- ^ 「電気館、きょう再オープン 映画文化を地元の人に」『西日本新聞』西日本新聞社、1995年12月23日
- ^ 熊本市 9月15日まで 東宝プラザ1、2閉館へ 菊陽町のシネコンに移転」『熊本日日新聞』2003年5月16日
- ^ 「仙台東宝 銀幕にさよなら 営業43年、ファン閉館惜しむ」『熊本日日新聞』2005年12月24日
- ^ 「熊本市 閉館のシネラックス 自己破産申し立て」『熊本日日新聞』2006年4月4日
- ^ 「映画の街から一つ灯消える シネパラダイス閉館 熊本市ファンから惜しむ声」『西日本新聞』西日本新聞社、2010年2月3日
- ^ “シネプレックス熊本にて、スザンヌさんの舞台挨拶が決定!”. 映画「いぬばか」新着ニュース. エキサイト (2009年11月25日). 2022年8月5日閲覧。
- ^ “会社沿革”. ローソン・ユナイテッドシネマ. 2022年8月5日閲覧。
- ^ “「みんな好いとうと♪」舞台挨拶ツアー開催決定!”. LinQオフィシャルブログ. サイバーエージェント (2016年3月4日). 2022年8月5日閲覧。
- ^ 『映画「フィフス・ウェイブ」九州地区での公開のお知らせ』(プレスリリース)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (日本)、2016年6月1日 。2022年8月5日閲覧。
- ^ 『シネプレックス熊本 営業再開のお知らせ 《ユナイテッド・シネマ熊本》としてリニューアル』(PDF)(プレスリリース)ローソン・ユナイテッドシネマ、2016年10月12日 。2022年8月5日閲覧。
- ^ a b 『ユナイテッド・シネマ熊本(旧シネプレックス熊本)11月23日(水・祝)、映画館営業スタート』(PDF)(プレスリリース)ローソン・ユナイテッドシネマ、2016年11月10日 。2022年8月5日閲覧。
- ^ 『「イオンシネマ熊本」3月24日(金)営業再開が決定』(PDF)(プレスリリース)イオンエンターテイメント、2017年2月17日 。2022年8月5日閲覧。
- ^ “肥薩おれんじ鉄道を舞台にした映画「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」が公開!”. 日刊Webタウン情報クマモト. 有限会社ウルトラハウス (2018年11月26日). 2020年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。
- ^ a b 『12月20日(金)札幌・入間・浦添 「ローソン・ユナイテッドシネマ」への劇場名変更決定!』(PDF)(プレスリリース)ローソン・ユナイテッドシネマ、2024年12月9日 。2025年2月12日閲覧。
- ^ “9/1(日)ユナイテッド・シネマ熊本、キャスト舞台挨拶付き上映開催決定!”. 『ガールズ&パンツァー 最終章』公式 (2019年8月9日). 2022年8月5日閲覧。
- ^ “「バンドリ!」公開中の劇場版『BanG Dream! FILM LIVE』舞台挨拶ツアーが開催中”. ファミ通App. KADOKAWA Game Linkage (2019年9月17日). 2022年8月5日閲覧。
- ^ 『ユナイテッド・シネマ 一部劇場営業再開のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ローソン・ユナイテッドシネマ、2020年5月14日 。2022年8月5日閲覧。
- ^ 倉野尾成美 [@Kuranoo_Narumi_] (2023年11月25日). "「ガールズドライブ」今日はユナイテッドシネマ熊本さんで舞台挨拶させていただきました♥". X(旧Twitter)より2023年12月3日閲覧。
- ^ “ダイエー時代から44年間親しまれたイオン熊本中央店が来年2月で閉店 商業施設を柱に再開発を計画”. 熊本県民テレビ. (2024年9月2日) 2024年12月5日閲覧。
- ^ 立石真一 (2024年12月2日). “熊本市初のシネコン「ユナイテッド・シネマ熊本」3月閉館へ グランパレッタの営業終了で”. 熊本日日新聞 2024年12月3日閲覧。
- ^ “『熊本市初のシネコン』ユナイテッド・シネマ熊本が来年3月に閉館 20年の歴史に幕”. 熊本県民テレビ. (2024年12月3日) 2024年12月5日閲覧。
- ^ “ローソン系映画館、名称「ローソン・ユナイテッドシネマ」に”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2024年4月24日) 2025年2月12日閲覧。
- ^ “フォレオひらかたが2月2日20時10分頃に閉館。2006年12月からの約18年の営業”. 枚方つーしん. 株式会社morondo (2025年2月2日). 2025年2月12日閲覧。
- ^ “ユナイテッド・シネマ熊本 - 劇場案内”. ローソン・ユナイテッドシネマ. 2025年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。
外部リンク
- ユナイテッド・シネマ熊本(2025年3月30日閉館)
- ユナイテッド・シネマ熊本 - ウェイバックマシン(2025年3月30日アーカイブ分)
- ユナイテッド・シネマ熊本のページへのリンク