ペトルーシュカからの3楽章とは? わかりやすく解説

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ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章

英語表記/番号出版情報
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章Three movements from Petrouchka作曲年1911年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 ロシア踊り Danse russe3分00 No Image
2 ペトルーシュカ Chez Petrouchka5分00 No Image
3 謝肉祭の日 La semaine grasse9分30秒 No Image

作品解説

2007年8月 執筆者: 和田 真由子

ペトルーシュカは、バレエ音楽火の鳥》と《春の祭典》と並びストラヴィンスキー3大バレエ一つとして名高い原曲1911年ディアギレフロシアバレエ団のために作曲された。それが、ピアノ独奏曲《『ペトルーシュカ』から三楽章》として編曲再構成されている(1921年)。演奏者によっては、オーケストラ版あわせてアレンジ加えたり、四幕すべてを演奏できるように編曲する場合もある。

このピアノ版は、ヴィルティオーゾとして名高いアルトゥール・ルビンシュタインからの依頼作曲された。「過去のどの曲よりも難しいもの」とう条件のもと作曲されただけに、難曲中の難曲といえる作品仕上がっている。ルビンシュタインはこの曲をレパートリーとしていたものの、その完成度満足せず録音を残すことは許さなかった。

全音音階用いた独特な旋律復調性、シャープ生命感あふれるリズム衝撃的な不協和音めまぐるしく変化する曲想など、強烈なインパクトをもった魅力的な作品である。

ペトルーシュカは、当時ロシア農民の姿を反映したものではないかといわれている。
第1楽章:ロシアン・ダンス(第一幕
にぎやかな祭り雰囲気の中、魔術師によって命をふきこまれた3体の人形ペトルーシュカ少女バレリーナ荒々しい性格ムーア人)。音楽にのせて、人形たちが激しく踊りだす。冒頭から、白鍵のみを用いた平行和音での連打はじまり、強烈な印象与える。

第2楽章ペトルーシュカ部屋第二幕
魔術師に蹴飛ばされ場面ペトルーシュカ部屋へ。魔術師からはひどい扱いをうけ、恋をしたバレリーナからも、相手にされない人間の心をもったペトルーシュカは、嘆きフラストレーションをためていく。復調性でグロテスクにうごきまわる旋律魅力的原曲においてもピアノ活躍する楽章であり、ピアノパートがほぼそのままの状態で移されている。

第3楽章復活祭市場第四幕
第三幕で、恋敵ムーア人むかっていくペトルーシュカだが、逆にムーア人にうちのめされ殺されてしまう。騒ぎ立てる聴衆対し魔術師は、ペトルーシュカ人形であることを説明する。しかし、人々去り、あたりが暗くなった頃、怒りに顔をゆがめたペトルーシュカ幽霊あらわれる。魔術師はおそれ、逃げ去る

ピアノ独奏曲用以外にも、連弾用、2台のピアノ用への編曲がある。


ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章

英語表記/番号出版情報
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章Three movements from Petrouchka作曲年1921年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 ロシア踊り Russian dance3分00 No Image
2 ペトルーシュカ  Petrouchka5分00 No Image
3 謝肉祭の日 The Shrove-tide Fair9分30秒 No Image

作品解説

執筆者: PTNA編集部

作品内容については独奏版「ペトルーシュカからの3楽章」を参照


ペトルーシュカからの3楽章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 08:56 UTC 版)

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ペトルーシュカからの3楽章』(仏語Trois Mouvements de Pétrouchka)は、バレエ曲『ペトルーシュカ』を基にした、作曲者であるイーゴリ・ストラヴィンスキー自身の編曲によるピアノ独奏曲。

演奏時間はおよそ15分ほどである。

概要

アルトゥール・ルービンシュタインの依頼により1921年に編曲され、彼に献呈されている。

曲は以下のように3楽章からなる。

  • 第1楽章:第1場より「ロシアの踊り」
  • 第2楽章:第2場より「ペトルーシュカの部屋」
  • 第3楽章:第3場より「謝肉祭」

原曲にある第1場「群集」「人形使いの見世物小屋」、第3場「ペトルーシュカの死」「警官と人形使い」「ペトルーシュカの亡霊」はこの編曲には登場しない(アナトリー・ヴェデルニコフは「ペトルーシュカの死」「ペトルーシュカの亡霊」を独自に追加している)。

難度

オーケストラを再現していることもあって、音が多く弾きにくい箇所が多く、演奏には高度な技巧が要求される。多くの箇所は3段譜で書かれており、曲中の一部では4段譜で書かれている箇所もある。このため、演奏に当たっては運指をよく考える必要がある(外部リンク参照)。

特に3楽章における左手の2-4と3-5の指使いによるトリルは、指の構造によっては演奏不可能ともいわれている。全体的に重音の課題をいかにクリアするかが問題になることが多い。また非常に大胆な跳躍をする箇所も多く、体力的にも厳しい。重音を多用するため、腰や腕の関節など体に負担のかかる曲にもなっており、成長期の奏者は弾かない方がよいと指摘する者もいる。

難曲を多く取り上げているマルク=アンドレ・アムランは、この曲を「技巧を見せびらかすだけの曲」だと評し、自分は弾かないと明言している[1]

演奏

難曲にもかかわらず録音は多く、人気のある楽曲である。1972年に録音されたマウリツィオ・ポリーニの演奏は特に、技術的に安定した演奏として知られている。

脚注

  1. ^ 『CD Journal』2006年11月号内インタビュー

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