ヘーシオドスによる九姉妹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 14:18 UTC 版)
9柱それぞれの名前と司る分野、および持ち物は以下の通り。 ムーサella分野持ち物名前の意味カリオペー(カリオペイア)Καλλιόπη Calliope 叙事詩 書板と鉄筆 美声 クレイオー(クリーオー)Κλ(ε)ιώ Clio 歴史 巻物または巻物入れ 讃美する女 エウテルペーΕὐτέρπη Euterpe 抒情詩 笛 喜ばしい女 タレイアΘάλεια Thalia 喜劇・牧歌 喜劇用の仮面・蔦の冠・羊飼いの杖(英語版) 豊かさ メルポメネーΜελπομένη Melpomene 悲劇・挽歌 悲劇用の仮面・葡萄の冠・悲劇の靴(英語版) 女性歌手 テルプシコラーΤερψιχόρα Terpsichore 合唱・舞踊 竪琴 踊りの楽しみ エラトーἘρατώ Erato 独唱歌 竪琴 愛らしい女 ポリュムニアー(ポリュヒュムニアー)Πολυ(υ)μνία Poly(hy)mnia 讃歌・物語 - 多くの讃歌 ウーラニアーΟὐρανία Urania 天文 杖・渾天儀・コンパス 天上の女 当初は特定の分野が割り当てられず、音楽・詩作・言語活動一般を司る知の女神たちであったようだが、古典期を通じてローマ時代の後期には各ムーサがつかさどる学芸の分野が定められ、現在広く知られる形が出来上がった。またツェツェース(Tzetzes, およそ1110年 - 1180年)による著作ではカリコレ (Kallichore)、ヘリケ (ヘリケー、Helike)、エウニケ (エウニーケー、Eunike)、テルクシノエ (テルクシノエー、Thelxinoe)、テルプシコラ (テルプシコラー、Terpsichore)、エウテルペ (エウテルペー、Euterpe)、エウケラデ (Eukelade)、ディア (ディーア、Dia)、エノペ (Enope)といった9柱のムーサが述べられている。 神話には、音楽の競技の場合に登場することが多い。アポローンとマルシュアースの音楽合戦の審判役をつとめたほか、タミュリス、セイレーンたちやピーエリスたちなどが、ムーサたちと歌比べの勝負を挑んだが敗北した神話が残っている。
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