プロメテアの器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 14:43 UTC 版)
作中で語られた限り、物語冒頭までにプロメテアの器となった人物は7人いる。そのうち5人は物語の本編に登場する。残りの2人は十字軍の時代に生きていたキリスト教徒とイスラム教徒で、アンティオキアの戦いで互いに争い、プロメテアの精霊に非常な苦痛をもたらした。 ウィリアム・ウールコット(ビル、William 'Bill' Woolcott) 「器」として唯一の男性。作中の過去でプロメテアのコミックシリーズを描いていた同性愛者の作画家。1939–1969年の間に活動していた。肉体的存在を象徴する「貨幣の道」をソフィーに伝える。 プロメテアとして女性化した姿で異性愛者の男性デニス・ドラッカーと愛し合っていたが、恋人が「トランスジェンダー」だったことを知って逆上したドラッカーによって頭を撃ち抜かれて死んだ。それ以来ドラッカーは罪の意識に苦しめられ続け、ビルも真実を告げなかったことを後悔していた。二人はアポカリプスの間に再会する。 ABCレーベルの別作品でトム・ストロング(英語版)と共演していたプロメテアの正体はウールコットである。ウールコット版のプロメテアはもっともワンダーウーマンと近い。 グレース・ブラナー (Grace Brannagh) パルプ小説「ハイブラジルの戦さ姫、プロメテア」の絵を描いていたイラストレーターで、1920年から1939年までプロメテアの名を継いでいた。論理と剣技に長けており、理性を象徴する「剣の道」をソフィーに教える。ソフィーの計らいにより、ステーシアを器として地上に顕現し、再びプロメテアとして悪と戦う。ステーシアとは尊大な性格同士で口論が絶えないが、後に恋人となる。 ムーアの序文では、ブラナーの作風は『ウィアード・テイルズ』で活躍した実在人物マーガレット・ブランデージに例えられている。 マーガレット・テイラー・ケース (Margaret Taylor Case) 20世紀初頭のコミック・ストリップ『摩訶不思議魔法の国のリトル・マージー』の作者。少女マージーの冒険を助ける妖精としてプロメテアを登場させたことで、自身がプロメテアを宿すことになった。1900年から1920年にかけて活動しており、第一次世界大戦の戦場でモンスの天使のように兵士たちを救っていた。同情心を象徴する「杯の道」をソフィーに伝える。 リトル・マージーも歴代のプロメテアとともに想像界で暮らしているが、言動は子供そのものでまともに相手されていない。マージーの話し方は実在のコミック『夢の国のリトル・ニモ』の主人公から取られている。 アンナ (Anna) 1770年ごろ、幻想叙事詩『フェアリー・ロマンス』を書いていた詩人チャールトン・セネットは女中アンナに妖精の侍女プロメテアの姿を投影し、理想の恋人へと変身させた。セネットの子を身ごもるが、「現実と夢の混ざりもの」である赤子の出産に耐えられず命を落とす。
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