プロイェクト667BDR型(デルタIII型)
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「デルタ型原子力潜水艦」の記事における「プロイェクト667BDR型(デルタIII型)」の解説
プロイェクト667BDR(デルタIII)型は1976年から1981年にかけて就役した。-667BDR型はそれまでの667型とは異なり搭載しているミサイルはMIRV式のR-29R/RSM-50(SS-N-18)となっており、それまでに比べて攻撃力が大きくなっている。全部で14隻が建造され、北方艦隊に5隻、太平洋艦隊に9隻が配備された。 1993年春に発表された「艦艇整備10ヵ年計画」では、戦略原潜はプロイェクト941型(проект 941、NATOコードネーム“タイフーン”級)と667BDRM型のみを残し、本型も含めた他のクラスは全て退役させる方針であったが、結局、維持コストの嵩む941型を早期退役させ、1990年代前半までに順次オーバーホールを済ませていた本型は残される事になった。なお北方艦隊所属のK-129は1990年代に潜水艇母艦に改造され、BS-136となった(デルタIIIストレッチ型)。 財政難などの理由により順次除籍され、2011年には北方艦隊に特務原潜BS-136、太平洋艦隊には3隻が在籍していた。太平洋艦隊所属艦は、行動不能状態にあると報じられていたが、時々、宗谷海峡を浮上航行する姿が海上自衛隊によって目撃されていた。2004年11月、同艦隊のK-223「ポドリスク」で、タンクへの過剰水圧のため飲料水タンクが爆発するという事故が起き、翌年、修理のため沿海州に向かう姿が宗谷海峡で目撃された。K-433「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」は、2004年以降、毎年オホーツク海で弾道ミサイルの試射を行っており、2006年9月10日にも、千島列島のシムシル島沖でR-29Rミサイルを発射している。 本型は人工衛星の打ち上げをR-29Rを用いて行っており、このロケットはヴォルナと呼ばれた。 ロシア海軍総司令官クロエドフ上級大将は「就役中の667BDR型(デルタIII型)の寿命を無期限に延長する」と在任中に発言したが、これは、本型を艦齢ぎりぎりまで目一杯使用するという意味と見られる。現在運用中の艦も2010年代には寿命を迎え、随時退役していく事になろう。
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