プラズマ中の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 15:58 UTC 版)
プラズマは開放系であることが多く、自己組織化に伴って散逸構造が生成される。以下では、プラズマの自己組織化の例を示す。 複数の研究チームが、ダストプラズマが自己組織化してクーロン結晶が生成されることを確認した(1994年)。 プラズマはエネルギーが外部から供給されてゆらぎが生じると不安定な状態となる。プラズマがゆらいで発生するフィラメント状の構造の代表例は、オーロラである。フィラメントや渦などの構造は、一定の条件ではお互いが生み出した磁場によって、同じ方向に動くほかの渦を引き寄せて自己組織化しながら成長する。これは、パルス発信機を用いてX線放射の実験を行うことで確認でき、プラズマが螺旋状の渦を作ったり、渦糸が結晶構造を作ることもある。また、成長が止まった渦が自然消滅した後に、新たなフィラメントが生成されることもある。このような現象は、銀河の集団が作る気泡状の宇宙構造(グレートウォールやボイド)の生成メカニズムと共通する。[要出典] 地球の電離層を巨大なプラズマ実験室として活用する試みでは、電離層プラズマに対して、100MW級3-10MHzの強力な電波を照射して、反射層付近で生じるさまざまなプラズマ非線形現象が調査されている。キャビトン乱流が発生しては消えていく、生成と消滅の時間的サイクルを伴った構造などもその一つである。[要出典] ピンチ効果 柱状になったプラズマの軸方向に電流を流すと、作り出された磁場と電流自身の相互作用ローレンツ力により、プラズマが急速に締め付けられて、中心部に細い紐状になって集中する現象。これによってプラズマは容器壁から離れてプラズマの閉じ込めが可能になり、同時にジュール熱の発生と圧縮による高温を生じる。原子核融合の初期段階の研究にとって重要。「ピンチ効果」という語彙はもともとは自己収縮するプラズマのことを指していて、L.Tonksがアーク放電が起きるとプラズマを流れる電流が周囲に磁場を形成してプラズマ自体が周囲の磁気エネルギーを取り込んで自己収縮するため電流が細く集中する現象に対してつけた。 プラズマシェル ピンチ効果によって電流が流れる経路の中心部に電子が集中すると、再結合を免れたイオンが周辺部に残って、あたかもイオンの鞘に取り囲まれたようになる現象を観察して生まれた言葉。
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