フーリエの法則とは? わかりやすく解説

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熱伝導

(フーリエの法則 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 23:25 UTC 版)

熱伝導(ねつでんどう、英語: thermal conduction)は、固体または静止している流体の内部において高温側から低温側へ熱が伝わる伝熱現象[1]

熱力学第二法則により熱は必ず高温側から低温側に向かう[1]

概要

金属においては、

の2つの機構があるものと考えられており、電気の良導体は熱の良導体でもある(ヴィーデマン=フランツ則)。

通常の物質では伝導電子による寄与の方が大きいので、金属は半導体絶縁体(フォノンが主要な熱伝導の担い手)よりも熱伝導性が良い。しかし、非常に硬いダイヤモンドではフォノンを介した熱伝導性の寄与の方が非常に大きくなる。

固体金属以外では、熱伝導性はその他の固体、液体、気体の順に悪くなる[2]。 非鉄素材のゴム樹脂の熱伝導性は悪いが、酸化アルミニウムなどを熱伝導性の良い金属素材を添加することで向上させることもできる[3]

なお、固体と運動している流体の間の伝熱現象は熱伝達(convective heat transfer)という[4]

熱の移動と物質移動(拡散)や電気伝導にはアナロジーが成り立つために化学工学では、伝熱や物質移動を扱う分野を移動現象論と呼んで、類似の取り扱いをする。

フーリエの法則

単位時間に単位面積を流れる熱流(熱流束密度)を J [W/m2] とし、温度を T とすると、分子論的熱緩和時間より十分長い時間(定常状態と見なせる時間)領域での現象に対して、熱流束密度 J温度勾配 grad T に比例する。すなわち


フーリエの法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 16:15 UTC 版)

熱伝導」の記事における「フーリエの法則」の解説

単位時間単位面積流れ熱流熱流束密度)を J [W/m2] とし、温度を T とすると、分子論的熱緩和時間より十分長い時間定常状態と見なせる時間領域での現象に対して熱流束密度 J は温度勾配 grad T に比例する。すなわち J = − λ grad ⁡ T {\displaystyle {\boldsymbol {J}}=-\lambda \operatorname {grad} T} で表される。これはフーリエの法則と言われる。この時の比例係数 λ を熱伝導率thermal conductivity)という。物質等方的であればλはスカラーであるが、一般に等方的3次元系では J と grad T の向き一致せず熱伝導率テンソル表現される単位体積当たりのエネルギーエネルギー密度)を ρE [J/m3]とすると、エネルギー保存則連続の方程式より ∂ ρ E ∂ t = − div ⁡ J {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{\mathrm {E} }}{\partial t}}=-\operatorname {div} {\boldsymbol {J}}} の関係が成り立つ(t は時間)。エネルギー密度増加率単位体積あたりの熱容量CV [J/m3K]を使って、 ∂ ρ E ∂ t = C V ∂ T ∂ t {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{E}}{\partial t}}=C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}} で表現される。以上から、λ を一定かつ等方的とすれば温度場 T が従う式として C V ∂ T ∂ t = − div ⁡ J = − div ⁡ ( − λ grad ⁡ T ) = λ ∇ 2 T = λ Δ T {\displaystyle C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}=-\operatorname {div} {\boldsymbol {J}}=-\operatorname {div} (-\lambda \operatorname {grad} T)=\lambda \nabla ^{2}T=\lambda \Delta T} を得る。これは熱伝導方程式Heat equation)と言われ拡散方程式の形をしている。λ/CV を熱拡散率温度伝導率と言う。 以上の式を1次元簡略化すると以下のようになる。 フーリエの法則 J = − λ ∂ T ∂ x {\displaystyle J=-\lambda {\frac {\partial T}{\partial x}}} エネルギー保存則 ∂ ρ E ∂ t = − ∂ J ∂ x {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{E}}{\partial t}}=-{\frac {\partial J}{\partial x}}} エネルギー密度変化温度変化の関係 ∂ ρ E ∂ t = C V ∂ T ∂ t {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{E}}{\partial t}}=C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}} 熱伝導方程式 C V ∂ T ∂ t = − ∂ ∂ x ( − λ ∂ T ∂ x ) = λ ∂ 2 T ∂ x 2 {\displaystyle C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}=-{\frac {\partial }{\partial x}}\left(-\lambda {\frac {\partial T}{\partial x}}\right)=\lambda {\frac {\partial ^{2}T}{\partial x^{2}}}} ただし、 ρE :熱エネルギー密度 [J/m3] J :熱流束密度 [W/m2] λ :熱伝導率 [W/(m・K)] CV単位体積熱容量 [J/(m3・K)] である。

※この「フーリエの法則」の解説は、「熱伝導」の解説の一部です。
「フーリエの法則」を含む「熱伝導」の記事については、「熱伝導」の概要を参照ください。

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