モデルの普遍性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 00:48 UTC 版)
いったん抽出された数理モデルはもともと対象とされた現象を超えて、遥かに広い範囲の対象を記述することが多い。例えば、コンデンサとコイルを接続した電気回路の電圧の発展を記述する微分方程式は、上記のばねの振動の方程式と全く同一のものになる。 他にも、熱拡散におけるフーリエの法則、電流におけるオームの法則、液流におけるハーゲン・ポアズイユの法則、粒子の拡散におけるフィックの法則は全て J = − D d u d x {\displaystyle J=-D{\frac {du}{dx}}} の形をしており、数学的には全く同一のものである。 (なお、これらの方程式が似た形をしているのには理由がある。これらの物理法則が得られるのは、どれも平衡点から少しだけずれた点における法則としてである。系のダイナミクスがたとえ非線型であっても、平衡点からほんの少しだけずれた点においては、ずれに対して線型な応答が得られると期待できる系における現象であるからだ。非線型力学的にいうならば、平衡点における発展方程式のヤコビアンによって、その近傍の発展は決まる。)
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