移動現象を表す方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 00:40 UTC 版)
移動現象は物理学や化学のさまざまな分野で現れ、その法則も類似している。一般に、物理量の空間勾配を駆動力にして、それに比例した大きさの流束(単位時間、単位面積当たりに移動する物理量)が生じるという形になっている。このときの比例係数を一般に輸送係数とよぶ。 各現象の名称については、熱交換、物質交換などのように、「移動」を「交換」と呼び換えることがある。 運動量移動 流体力学の分野のニュートンの粘性の法則によると、せん断応力(運動量流束)τxy はせん断速度(英語版)(速度vx の勾配)に比例する: τ x y = − μ ∂ v x ∂ y . {\displaystyle \tau _{xy}=-\mu {\frac {\partial v_{x}}{\partial y}}.} 比例係数μは粘性係数と呼ばれる。 熱移動 伝熱工学の分野のフーリエの法則によると、熱流束q は温度T の勾配に比例する: q = − λ ∂ T ∂ y . {\displaystyle q=-\lambda {\frac {\partial T}{\partial y}}.} 比例係数λ は熱伝導率と呼ばれる。 物質移動 拡散に関するフィックの拡散の(第一)法則によると、質量流束j は濃度c の勾配に比例する: j = − D ∂ c ∂ y . {\displaystyle j=-D{\frac {\partial c}{\partial y}}.} 比例係数D は拡散係数と呼ばれる。 電荷移動 電磁気学における電気伝導によると、電流密度(電荷の流束)J は電界E (電位V の勾配)に比例する: J = σ E = − σ ∂ V ∂ x . {\displaystyle J=\sigma E=-\sigma {\frac {\partial V}{\partial x}}.} 比例係数σ は電気伝導率と呼ばれる。
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