フロンテ800
62年秋の第9回全日本自動車ショーに、鈴木自工(旧名)が1台の4ドアセダンHAXを参考出品した。詳細は明らかにしなかったが、1L級のクルマだろうとうわさされた。翌年、翌々年の全日本自動車ショーにもプロトタイプを発表した。HAXの面影はなくなり、実際に発売したクルマに近くなっていた。ショー展示車は4ドアだったが、市販車は2ドアに改められ、65年8月にスズキ・フロンテ800の名でデビューした。
FF車。エンジンは水冷2ストローク3気筒785ccで、最高出力は41ps/4000rpm。4速コラムMTにより115km/hを公称した。ラジエーターがバルクヘッド直前にあるDKW流の設計で、オイルは分離給油。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、縦置きトーションバー、リヤはトレーリングアーム、横置きトーションバーで、車高調整が可能だった。スズキ初の5ナンバー車だった。東京店頭渡し価格はスタンダードが46万5000円、デラックスは54万5000円。
66年8月、デラックスだけに車種を絞り、リクライニング仕様追加。67年、68年と改良を行ったが、総生産台数2717台、販売台数2612台、69年4月をもって生産を停止した。このクルマは土地柄、浜松駅周辺のタクシーとしても利用された。
スズキ・フロンテ800
(フロンテ800 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/25 13:41 UTC 版)
{{Infobox 自動車のスペック表 | 車種=普通自動車 | 車名=スズキ・フロンテ800 | 車名補=C10型 | 1枚目画像の説明=フロント | 1枚目画像名=1965 Suzuki Fronte 800.jpg | 2枚目画像の説明=リア | 2枚目画像名=Suzuki-Fronte800rear.JPG | 3枚目画像の説明= | 3枚目画像名= | 製造国= 日本 | 販売期間=[[1965年][[]12月]] - 1969年12月[1] | デザイン= | ボディタイプ=2ドアセダン | エンジン=C10型 水冷2サイクル直3 0.8L | トランスミッション=4速MT | サスペンション=前:ウィッシュボーン
後:トレーリングアーム | 駆動方式=前輪駆動 | 全長=3,870mm | 全幅=1,480mm | 全高=1,360mm | ホイールベース=2,200mm | 車両重量=770kg | 乗車定員=5名 | 自由項目1(項目名)= 累計販売台数 | 自由項目1(内容)= 2800台[1] | 自由項目2(項目名)= | 自由項目2(内容)= | 先代= | 後継=スズキ・カルタス
※発売まで約14年の空白あり | 同車台= }} フロンテ800(FRONTE 800)はかつて鈴木自動車工業(現・スズキ)が製造していた乗用車。
概要
スズキ初の小型乗用車として、1965年(昭和40年)12月に発売。同年10月発売の三菱・コルト800とともに、当時の国産大衆車であった800cc市場に進出し、トヨタ・パブリカ、ダイハツ・コンパーノ、マツダ・ファミリアと競合することとなった。
2ドアセダンのボディスタイルは、1963年(昭和38年)の第10回全日本自動車ショウ(後の東京モーターショー)出品車両と同様で、デザインは二輪車のコレダ・セルツインSB等を手がけたデザイン課係長佐々木享がY4計画として担当し、空力学的に優れた形状で前面投影面積を縮小し曲面ガラスが採用された。
エンジンはC10型 785 cc 水冷直列3気筒2サイクルを搭載し、最高出力41PS/4,000rpm、最大トルク8.1kgm/3,500rpmを発生する。左に30度傾けて縦置きマウントとし、駆動方式は前輪駆動 (FF) を採用。0 - 200m加速は13.9秒と、この当時の1,000ccクラス乗用車に近い加速性能であった。
サスペンションは前輪ウイッシュボーン/トーションバー、後輪はトレーリングアーム/トーションバーの4輪独立懸架であり、姿勢調節ボルトの調整によって車高調整が可能であった。
1966年(昭和41年)にリクライニングシート仕様が追加され、その後も毎年のように小改良を経て、1969年(昭和44年)に開催された第16回東京モーターショーの後に生産を終了した。当時の大衆車の主力クラスということもあり、各社が参入していて激戦区となったことで販売は伸びなかった。生産台数は2,717台、販売台数は2,612台。
これにより、スズキは1983年(昭和58年)に初代カルタスを発売するまでの間、日本国内の小型乗用車市場から一時的に撤退し、軽自動車に注力することとなる。
関連番組など
- さがせ!幻の絶版車 - レギュラー番組への道の枠で放送された、NHKのテレビ番組。2021年6月4日に本車が取り上げられた[2]。
参考文献
- 『自動車アーカイヴVol.1』-別冊CG-二玄社
- 『国産車100年の軌跡』-モーターファン別冊-三栄書房
- 『日本の名車100台』-立風書房
- webCG(日本経済新聞デジタルメディア) - 『ハンドメイドの大衆車』スズキ・フロンテ800
脚注
- ^ a b デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車 第60号21ページより。
- ^ “さがせ!幻の絶版車 - NHKオンライン”. NHK. 2023年1月1日閲覧。
関連項目
- スズキ (企業)
- スズキ・フロンテ
- スズキ・フロンテクーペ
- スズキ・カルタス
- スズキ・スイフト
- スズキ・ワゴンRスマイル - 本車種で採用された筆記体の"Suzuki"エンブレムが純正アクセサリーのエンブレムステッカー(助手席インパネエンブレム)やワイドバイザーのロゴとしてリバイバル採用されており、同車種のアクセサリーカタログにも紹介されている。
外部リンク
- “フロンテ800”. スズキデジタルライブラリー. スズキ. 2022年4月8日閲覧。
- GAZOO.com スズキ・フロンテ800 - ウェイバックマシン(2013年12月24日アーカイブ分)
スズキ車種年表 1955年〜1989年 1990年代以降 -> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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種類 | 1950年代 | 1960年代 | 1970年代 | 1980年代 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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軽セダン | スズライトSS | スズライト・フロンテ360 | フロンテ360 | フロンテ71 | フロンテ | フロンテ | フロンテ | アルト | |||||||||||||||||||||||||||
コンパクト | フロンテ800 | カルタス | カルタス | ||||||||||||||||||||||||||||||||
スポーツ | アルトワークス | アルトワークス | |||||||||||||||||||||||||||||||||
スペシャルティカー | フロンテクーペ | セルボ | セルボ | セルボ | |||||||||||||||||||||||||||||||
SUV | ジムニー | ジムニー | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ジムニー8 | ジムニー1000/1300 | エスクード | |||||||||||||||||||||||||||||||||
商用車 | スズライトSL/SD | スズライトTL | フロンテバン | フロンテハッチ | アルト | アルト | アルト | ||||||||||||||||||||||||||||
スズライトSP | スズライトキャリイ | スズライトキャリイ | マイティボーイ | ||||||||||||||||||||||||||||||||
キャリイ | キャリイ | キャリイ | キャリイ | キャリイ/エブリイ | キャリイ/エブリイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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