ファイル配信・認証システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 17:35 UTC 版)
「Steam」の記事における「ファイル配信・認証システム」の解説
Steamにはダウンロードしたファイルをチェックする機能がある。大容量ファイルをダウンロードしてインストールするという仕組み上、回線が不安定だとダウンロードデータの破損などが起こる場合もある。この場合、Steamは破損部分のみを再度ダウンロードすることができる。これにより、ユーザは、データの欠落による一からの再インストール(およびそれに伴うストレス)を回避することができる。 「分割ファイルシステム」(Distributed File System)という仕組みをサポートしており、一部のゲームではダウンロードが完了する前にもゲームを起動することができる。ファイルの一覧を作成して必要なファイルだけを要求することによって、ファイル構造が線形で構成されているゲームの場合は、実行部分と最初の部分のダウンロードだけで起動できるようになり、ダウンロード進行中に起動を試みても何ら問題はないが、基本的なファイルが足りない場合はゲームの起動に失敗する。 Steamに適合したゲームの場合、無圧縮のファイル形式.gcfが使用されることがある。これにより、ユーザが重要なファイルを上書きしたり、ファイル汚染を防ぐことができる(例えば、「Pure」サーバではテクスチャやモデルの変更が不公平の元となるので禁止している)。 大作ゲームなど、発売日にサーバ・回線の混雑が予想される場合を考慮し、予約購入したゲームについては暗号化されたファイルをあらかじめダウンロード(プリロード)することが可能となっている。これにより、発売日にはファイルを復号するだけで起動が可能になるため、サーバ・回線の負荷は軽減され、購入者もダウンロードの待ち時間を軽減できる。 初期のバージョンではパッケージ版としてインストールしたプログラムファイルが既にある場合、ダウンロードの手間をかけずにそれをそのままSteamでも使えるようにコンバートする機能があったが、通信速度の向上とブロードバンドの提供エリアの拡大などにより、現在この機能は廃止されている(新しくライブラリにダウンロードするようになり、ライブラリフォルダに既に置かれていた場合は更新箇所のみダウンロードする)。パッケージ版を所有している人はそのCDキーを入力することにより、そのゲームがダウンロード可能になるようになっている。 初めからSteamとの併用を前提に開発されたゲーム(『Warhammer 40,000: Dawn of War II』『The Orange Box』など)はSteam上でのダウンロード販売に加え、パッケージ版も発売されているが、導入にあたってはSteamも同時にインストールされ、プレイする際もSteamによる認証プロセスが必須となる。インストールして以降もSteamにログインしてから起動、更新が行われる仕組みになっている(それまで一般的だったゲームのように、プレイする際に必ずディスクをドライブに入れておく必要はない)。つまり、実質的にはSteam版と全く違いはなく、ゲームに必要なファイルをただディスクに入れることでダウンロードの所要時間を省いて高速インストールできるようにしただけのものといえる。
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