パーンの語源と起源とは? わかりやすく解説

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パーンの語源と起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 07:48 UTC 版)

パーン (ギリシア神話)」の記事における「パーンの語源と起源」の解説

パーンテューポーン襲われた際に上半身山羊下半身の姿になって逃げたエピソードは有名であるが、この姿は低き海底から高きは山の頂上まで(山羊高山動物であるため)世界あらゆるところに到達できるとされ、「全て」を意味する接頭語 Pan(汎)の語源となったともいわれている。 恐らく、言語上の誤解ホメーロス諸神賛歌のなかの『パーン賛歌』(第19編)から始まったのだろう。『賛歌によればパーンドリュオプスの娘、あるいはニュムペーヘルメースの間に生まれたが、山羊の脚、頭に二本角を生やすという奇妙な姿をしていたため、母親は幼いパーン置き去りにして逃げたヘルメースパーン野兎の皮でくるんで神々のもとへ運ぶと神々はみな喜んだ。しかし、なかでも特に喜んだのはディオニューソスだった。そして「全ての神々喜ばす」として、そこから名前を得たのだという。 パーンには、少なくとも原インド・ヨーロッパ語時代においてはもう一つの名前があり、ローマ神話でのファウヌス下記)であると考えられる。あるいは印欧比較神話学的な観点からはインド牧羊神プーシャン(Pūṣán)と語源共通しているという説もある。どちらにしてもパーン血統をめぐる説がいくつもあることから、太古の神話的時代遡る神であるに違いないパーンアルテミス猟犬与えアポローン予言秘密教えたというのが本当なら、他の自然の精霊同じくパーンオリュンポス十二神よりも古いものにみえるパーンはもともとアルカディアの神であってパーン主な崇拝者アルカディア人だった。アルカディアギリシア人居住地であったが、この地のギリシア人ポリス形成せず、より古い時代村落共同体的な牧民の生活を送っていたので、オリュンポス神域パーンパトロンになった時、ポリス生活を送る先進地帯ギリシア人は彼らのことを蔑視していた。アルカディア猟師たちは狩り失敗した時、パーンの像を鞭打ったものであるテオクリトス vii. 107)。 パーン人気のない所で、突然、混乱恐怖もたらすことがあった(「パニック(Panic)」)(panikon deima)。 復興ペイガニズム(Neopaganism)においてパーンは「角を持つ神」の典型として、神の元型一つだった(→ケルヌンノス)。

※この「パーンの語源と起源」の解説は、「パーン (ギリシア神話)」の解説の一部です。
「パーンの語源と起源」を含む「パーン (ギリシア神話)」の記事については、「パーン (ギリシア神話)」の概要を参照ください。

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