バス車両の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:48 UTC 版)
バスの前身は乗合馬車で、乗合馬車の馬を動力に変えたものが起源である。日本においても、最初のバス車両は乗合馬車を改造したものが使用され、箱の部分に乗合馬車の部分をそっくり流用し、アメリカ製のエンジンを搭載したものであった。乗合バスが登場したころは、エンジン部が前方に突き出したボンネット型バスであったが、やがてエンジンが車体内に組み込まれた箱型に代わっていったことに伴い、現在運行するバスのほぼ全てが箱型のバスが運行されるようになり、ボンネットバスは一部の観光地で郷愁を誘うための観光目的で走行しているのみである。かつてバス車両の一種で、都市部の道路上に2本の架空電線を引いて、電気を動力源として電動機で走行するトロリーバスが走行していた時代もあり、日本では無軌道電車(無軌条電車)ともよばれていた。路面電車のように軌道(線路)を必要としなかったことから、大気を汚染させず建設費も安かったことから多くの都市で普及したが、道路が渋滞すると立ち往生してしまう欠点から、路面電車よりも早い時期に姿を消していった。 高度経済成長期以後は、一般の乗合バスも都市圏で地下鉄などに客を奪われ、地方ではモータリゼーションによる自家用車の普及により苦境に立たされる状況のなかで、乗客へのサービス向上のために低床化を図った低床バスが登場するようになった。高速道路時代になると、鉄道に代わって旅客用バスを使用した高速バスが参入し、長距離向けバスでは快適さを求められたことから高床式にすることで、乗客からの眺めをよくしたハイデッカーが登場した。観光バス業界向けに、イギリスで発祥した二階建てバスも同時期に普及している。
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