ハーブの利用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 14:02 UTC 版)
次のように利用できる有用植物がハーブと呼ばれた。 内服薬・外用薬として利用できるもの。 防臭・防腐・防虫などに役立つ植物。 芳香があり、その香りに鎮静作用や興奮作用などがあるもの。 西洋では様々なハーブ、香辛料が料理に利用された。胡椒などの香辛料は、保存料・香り付け・薬として重宝されたが、交易で遠方からもたらされるため高価だった。民衆は、身近で手に入る香りあるハーブ、防腐作用を持つハーブを料理・保存に利用した。 胡椒の代わりに使われたマメグンバイナズナは、イギリスでは「貧者の胡椒」と呼ばれている。フランスのプロヴァンス地方で料理に使われたハーブに想を得た業者により、セイボリー、フェンネル、バジル、タイム、ラヴェンダーなどのハーブをブレンドしたものがエルブ・ド・プロヴァンスの名で販売されている。フランス料理では、パセリ、チャイブ、タラゴン、タイムなどの生のハーブをみじん切りにしたものが多用され、フィーヌゼルブ(フランス語版)と呼ばれる。フランスの煮込み料理の香り付けには、パセリ、タイム、ローリエ、エストラゴンなど数種類のハーブを束ねたブーケガルニが使われる。 ヨーロッパ各地に、ハーブを主な材料とするグリーンソース(英語版)が存在する。イタリアでは、すりつぶしたパセリ、酢、ケッパー、ニンニク、タマネギ、アンチョビ、オリーブオイル、マスタードなどを混ぜて作るソースをサルサヴェルデという。ドイツ・ヘッセン州ではグリューネ・ゾーサ(Grüne Soße または Grüne Sosse)が有名であり、ルリジサ、スイバ、コショウソウ、チャービル、チャイブ、パセリ、およびサラダバーネット(英語版)などの7種類の生のハーブを刻み、サワークリーム・レモン汁を混ぜたソースに、固ゆで卵・じゃがいもなどを添えて食べる。このように、ヨーロッパではハーブは料理によく利用され、相互に影響を受けながらも地域によって特色がある。 胡椒の代わりに使われたマメグンバイナズナ ブーケガルニ エルブ・ド・プロヴァンス イタリアのサルサ・ヴェルデ ジャガイモを添えたグリューネ・ゾーサ ハーブ抽出物の中には、サプリメントとして利用されるものもある。また現在では、植物の香りの薬効が研究されており、ハーブなどを水蒸気蒸留した精油がアロマテラピー(芳香療法)に用いられている。
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