ドーム時代到来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 02:06 UTC 版)
1988年に日本初のドーム球場、東京ドームが誕生した。これは同時に日本武道館を超える規模の室内コンサート会場が誕生したということになる。 屋根を備えた巨大コンサート会場という側面を持つ多目的ドーム球場は、大規模なイベント誘致を当て込んだ自治体にとって、存在すること自体が一種のステータス・憧れであり、巨額の資金を投じて大都市に次々と建設されていった。福岡ドーム(1993年)、大阪ドーム(現京セラドーム大阪)(1997年)、ナゴヤドーム(1997年)、札幌ドーム(2001年)などである。これとは別に西武球場も屋根を新設し西武ドームとして1999年に生まれかわった。 だが、これらの球場はいずれもアメリカの1960年代の流行である多目的円形球場の域を脱していない。多目的であるが故、可動式スタンドを備えた結果、広大なファウルゾーンが存在して臨場感に欠け、これでは野球観戦に最適な形態とは言い難い。さらに、以前はグラウンドレベルに設置されていた放送席が機械器具の発達によりスタンド内に設置されるようになったが、代わりに審判員・関係者用の諸室がグラウンドレベルに設置されたため、依然として観客席はグラウンドからは遠い存在であった。 さらに多目的ドーム球場は、可動式スタンド、昇降式マウンド、空調設備等、複雑な装置を備えた結果、補修・メンテナンス費用も莫大なものになっている。一例を挙げると、札幌ドームのメンテナンス費用は、2011年からの20年間で約200億円に達すると試算されており、その調達方法について未だ目処がついていないのが現状である。 一方で屋外球場では自治体によってグリーンスタジアム神戸(1988年)、千葉マリンスタジアム(正確には第三セクターによる)(1990年)が建設され、プロ野球の球団誘致に成功している。大阪ドーム、札幌ドームも第三セクターによるものである。 なお東京ドームとグリーンスタジアム神戸の両球場は、日本のプロ本拠地としては初めて公認野球規則で定められた規格を満たした球場である。この後、プロの使用を視野に入れた新設球場はほとんどが規格を満たすようになり、既存の球場は順次拡張されていった。
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