トレジャラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 02:07 UTC 版)
トレジャラ(英語: treasurer)。一般に、法人 (corporation)の会計管理、資金の出納や財務の責任者の職務を行う役員である。定訳は無いので権限や法人の種類、組織の規模等に応じて、会計、会計役、出納役、財務、財務役、トレジャラなど様々に和訳される。また、法人が米国の地方政府などの自治体 (municipal corporation) の場合は、収入役、出納長、財務官など、米国の州政府の場合は州財務官と呼ばれる。なお、日本の現行の会社法では会社の会計役に関する定めは無いが、日本に株式会社制度が導入されはじめた頃の国立銀行条例においては「支配人会計役書記役其他ノ役員ヲ定メ」との記載があり、かつては日本でも「会計役」が会社の役員とされていた。 米国における法人の会計役 (treasurer) は、非営利法人でも営利法人(株式会社)でも、伝統的に会長/社長 (president)や書記役 (secretary)等とともに法人の役員 (officer)とされる。州法に規定がある場合、理事会/取締役会 (board of directors)は1人の会計役 (treasurer) を選任しなければならないとされる。定款に別段の定めがない限り理事/取締役 (director)でなくともよい。一般的には会長/社長 (president) 、書記役 (secretary)、その他の役員 (officer) を兼任することができる。米国の多くの州では、会計役 (treasurer) の役割や権限について州法で明確に規定していないので、法人が付属定款 (by-laws) でその権限の概略を規定する。一般に、法人名義の資金の受領および支出を正式に担当する。判例法では会計役 (treasurer) に明示的に権限が付与されていない場合、通常は法人を拘束する契約を締結したり、財産を処分することはできないが、金銭の受け取り、保管および支出については権限を有するとされる。銀行との取引の際に、法人の代表者の署名と書記役 (secretary) の副署を要するため、法人の書記役 (secretary) を兼任して、書記会計役 (secretary-treasurer) とする場合がある。最高財務責任者 (CFO) を兼任する場合が多く、カリフォルニア州のように、基本定款 (articles) または付属定款 (bylaws) に別段の定めがない限り、最高財務責任者 (chief financial officer) を置かない場合は、会計役 (treasurer) が最高財務責任者 (chief financial officer) となると定める州もある。一方、州によっては役員 (officer) の名称を規定しないため、会計役 (treasurer) を置かないでCFOを置く場合もある。また、CFOの統括の下に会計役 (treasurer) と経理部長(controller 又は comptroller)を置き、会計役 (treasurer) が財務部の職務を統括する場合もある。米国法律協会 (American Law Institute, ALI)による「企業統治の原則:分析と勧告」(Principles of Corporate Governance: Analysis and Recommendations) において、法人の会計役 (treasurer) は上級執行役員 (Senior Executive)に分類されている。
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