デーブ・パーカーとは? わかりやすく解説

デーブ・パーカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/01 06:51 UTC 版)

デーブ・パーカー
Dave Parker
オークランド・アスレチックス時代
(1989年)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 アメリカ合衆国 ミシシッピ州カルフーン郡
生年月日 (1951-06-09) 1951年6月9日
没年月日
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 1970年 ドラフト14巡目(全体332位)でピッツバーグ・パイレーツから指名
初出場 1973年7月12日
最終出場 1991年10月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
殿堂表彰者
選出年 2025年
得票率 87.5%
選出方法 ベテランズ委員会選出

デービッド・ジーン・パーカーDavid Gene Parker , 1951年6月9日 - 2025年6月28日[1])は、アメリカ合衆国ミシシッピ州カルフーン郡出身の元プロ野球選手外野手)。

ニックネームは「The Cobra」。強打の外野手としても知られた[2]日米野球で来日した際には、当時の人気漫画『すすめ!!パイレーツ江口寿史著にも登場している。

経歴

映像外部リンク
1979年オールスターゲームで本塁を狙ったダウニングを刺した場面(MLB.comによる動画)

1970年MLBドラフト14巡目(全体332位)でピッツバーグ・パイレーツに指名され契約。1973年7月12日の対シカゴ・カブス戦で、7回表にルーク・ウォーカーの代打として出場しメジャーデビュー。結果は中堅方向に二塁打を放った。3年目の1975年にはレギュラーとなり、148試合に出場して打率.308、25本塁打、101打点と活躍。

1977年には打率.338でナ・リーグ首位打者を獲得。初のMLBオールスターゲーム出場も果たした。そして1978年には打率.334、30本塁打、117打点の活躍で2年連続首位打者、そしてMVPに選出された。守備面でも、チームの先輩ロベルト・クレメンテばりの強肩で1975年から1979年の5年間で合計72の補殺を記録。特に1977年には補殺26を記録し、この年から3年連続でゴールドグラブ賞を獲得。2度目の出場となった1979年のMLBオールスターゲームでは、7回裏に三塁打を狙ったジム・ライスレッドソックス)と、8回裏にグレイグ・ネトルズのライト前ヒットでホームを狙ったブライアン・ダウニングエンゼルス)を、いずれも強肩で刺し[3]、この試合のMVPに選ばれた[4]。シーズン終了後には日米野球で日本を訪れた。

しかし、1981年から1982年にかけて故障で欠場が増え、ピッツバーグ薬物裁判に関連してこの頃にパイレーツの本拠地スリー・リバース・スタジアムで多くのメジャーリーガーが関与した麻薬の密売に関与していた事が判明。自身のコカイン使用も後に明らかになった。1983年限りでフリーエージェントシンシナティ・レッズに移籍。1985年には、先述の麻薬事件で1年の出場停止処分(執行猶予付き)を科された(年俸の一部の寄付や、義務付けられた奉仕活動への参加、抜き打ちの麻薬検査を受けるといった条件をクリアしたため、出場停止処分とはならなかった)。この年、打率.312、34本塁打、125打点(打点王)とMVPになった1978年以来の活躍を見せ、MVP投票でもウィリー・マギーカージナルス)に次ぐ2位となる。翌1986年も全162試合に出場して打率.273、31本塁打、116打点を記録。

1987年オフにホセ・リーホティム・バートサスとの交換トレードオークランド・アスレチックスに移籍。この年は101試合の出場にとどまったが、自身9年ぶりのワールドシリーズ出場を果たす。翌1989年は、ほぼ指名打者としての起用で打率.264、22本塁打、97打点を記録し、チームのワールドシリーズ制覇に貢献。その年限りでミルウォーキー・ブルワーズ(当時はア・リーグ所属)に移籍。1990年もほぼ指名打者での起用で打率.289、21本塁打、92打点を記録し、シルバースラッガー賞を受賞したが、若返りを図るチーム事情でダンテ・ビシェットとの交換トレードで1991年カリフォルニア・エンゼルスに移籍。しかし、(解雇時点で).232の低打率でシーズン終盤に解雇される。優勝争いを繰り広げていたトロント・ブルージェイズと契約。13試合の出場で打率.333を残すが、チームは地区優勝したものの、アメリカンリーグチャンピオンシップシリーズに出場できず、その年限りで現役を引退した。

引退後は一時、エンゼルス一塁ベースコーチ(1997年)→カージナルス打撃コーチ(1998年)、さらにはパイレーツ臨時コーチを務めた。球界を離れてからはシンシナティで「ポパイズチキン」のフランチャイズを営む。

2024年12月9日、ベテランズ委員会の選出により、アメリカ野球殿堂入りを果たした[5]2025年2月10日、銘板に刻まれる帽子はパイレーツのものとすることが決定した[6]

2012年または2013年にパーキンソン病と診断されて闘病していたが、2025年6月28日にシンシナティで死去した。74歳没[7][1]。翌7月にはアメリカ野球殿堂表彰の式典が予定されていた[1]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1973 PIT 54 144 139 17 40 9 1 4 63 14 1 1 1 0 2 1 2 27 2 .288 .308 .453 .761
1974 73 233 220 27 62 10 3 4 90 29 3 3 0 0 10 1 3 53 3 .282 .322 .409 .731
1975 148 602 558 75 172 35 10 25 302 101 8 6 0 1 38 4 5 89 18 .308 .357 .541 .898
1976 138 573 537 82 168 28 10 13 255 90 19 7 0 4 30 6 2 80 16 .313 .349 .475 .824
1977 159 706 637 107 215 44 8 21 338 88 17 19 0 4 58 13 7 107 7 .338 .397 .531 .927
1978 148 642 581 102 194 32 12 30 340 117 20 7 0 2 57 23 2 92 8 .334 .394 .585 .979
1979 158 707 622 109 193 45 7 25 327 94 20 4 0 9 67 14 9 101 7 .310 .380 .526 .906
1980 139 550 518 71 153 31 1 17 237 79 10 7 0 5 25 5 2 69 8 .295 .327 .458 .785
1981 67 254 240 29 62 14 3 9 109 48 6 2 0 3 9 3 2 25 5 .258 .287 .454 .742
1982 73 270 244 41 66 19 3 6 109 29 7 5 0 3 22 2 1 45 7 .270 .330 .447 .776
1983 144 586 552 68 154 29 4 12 227 69 12 9 0 6 28 6 0 89 11 .279 .311 .411 .722
1984 CIN 156 655 607 73 173 28 0 16 249 94 11 10 0 6 41 10 1 89 8 .285 .328 .410 .738
1985 160 694 635 88 198 42 4 34 350 125 5 13 0 4 52 24 3 80 26 .312 .365 .551 .916
1986 162 700 637 89 174 31 3 31 304 116 1 6 0 6 56 16 1 126 18 .273 .330 .477 .807
1987 153 647 589 77 149 28 0 26 255 97 7 3 0 6 44 13 8 104 14 .253 .311 .433 .744
1988 OAK 101 411 377 43 97 18 1 12 153 55 0 1 0 2 32 2 0 70 3 .257 .314 .406 .720
1989 144 600 553 56 146 27 0 22 239 97 0 0 0 8 38 13 1 91 21 .264 .308 .432 .741
1990 MIL 157 669 610 71 176 30 3 21 275 92 4 7 0 14 41 11 4 102 18 .289 .330 .451 .781
1991 CAL 119 501 466 45 108 22 2 11 167 56 3 2 0 3 29 3 3 91 9 .232 .279 .358 .638
TOR 13 40 36 2 12 4 0 0 16 3 0 1 0 0 4 0 0 7 0 .333 .400 .444 .844
'91計 132 541 502 47 120 26 2 11 183 59 3 3 0 3 33 3 3 98 9 .239 .288 .365 .653
MLB:19年 2466 10184 9358 1272 2712 526 75 339 4405 1493 154 113 1 86 683 170 56 1537 209 .290 .339 .471 .810
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

内野守備


一塁(1B) 二塁(2B)
























1974 PIT 6 53 3 0 9 1.000 -
1977 - 1 0 0 0 0 ----
1987 CIN 9 76 4 1 7 .988 -
1988 OAK 1 5 2 0 0 1.000 -
1990 MIL 3 24 0 1 4 .960 -
MLB 19 158 9 2 20 .988 1 0 0 0 0 ----
外野守備


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































1973 PIT 4 5 0 0 0 1.000 16 35 0 2 0 .946 19 36 3 1 1 .975
1974 10 18 1 2 0 .905 15 35 1 1 0 .973 28 47 2 1 1 .980
1975 - - 141 315 7 9 2 .973
1976 - - 134 293 12 14 0 .956
1977 - - 158 381 26 15 9 .964
1978 - - 147 304 12 13 3 .960
1979 - - 158 343 15 15 1 .960
1980 - - 130 237 14 9 0 .965
1981 - - 60 108 1 7 0 .940
1982 - - 63 110 2 5 1 .957
1983 - - 142 281 4 8 2 .973
1984 CIN - - 151 296 6 8 1 .974
1985 - - 159 328 10 10 1 .971
1986 - - 159 277 10 9 2 .970
1987 - - 142 275 12 10 3 .966
1988 OAK 34 59 4 4 0 .940 - -
1989 - - 1 2 0 0 0 1.000
MLB 48 82 5 6 0 .935 31 70 1 3 0 .959 1792 3633 136 134 27 .966
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 赤文字はMLBにおける歴代最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

タイトル

表彰

記録

背番号

  • 39(1973年 - 1991年、1997年)
  • 40(1998年)

脚注

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の野球選手 ボブ・ホーナー  アル・エイバー  デーブ・パーカー  ウィリー・ホートン  ジャック・フィースター
シンシナティ・レッズの選手 ライアン・フランクリン  クリス・セイボー  デーブ・パーカー  ジョバンニ・カラーラ  ラス・スプリンガー
オークランド・アスレチックスの選手 レノ・ベルトイア  アル・エイバー  デーブ・パーカー  ウィリー・ホートン  マイク・ホルツ
ピッツバーグ・パイレーツの選手 ホセ・カスティーヨ  ルイス・ティアント  デーブ・パーカー  ジャック・フィースター  エリック・ヒンスキー
トロント・ブルージェイズの選手 マイク・ナポリ  フェリペ・クレスポ  デーブ・パーカー  ウィリー・ホートン  ジョバンニ・カラーラ
ロサンゼルス・エンゼルス及びその前身球団の選手 ルイス・ティアント  ケンドリー・モラレス  デーブ・パーカー  マイク・ホルツ  ラス・スプリンガー
ミルウォーキー・ブルワーズの選手 野村貴仁  テッド・シモンズ  デーブ・パーカー  ジョン・アックスフォード  マイク・リベラ

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