ディズニー作品『ライオン・キング』との類似
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 14:55 UTC 版)
「ジャングル大帝」の記事における「ディズニー作品『ライオン・キング』との類似」の解説
「ライオン・キング#盗作騒動」も参照 本作とディズニープロダクションの1994年公開のアニメ映画『ライオン・キング』とが類似しているとして、ディズニーが模倣したのではないかと日米で話題になった。1994年7月11日に『サンフランシスコ・クロニクル』紙が掲載した記事が発端になり、アメリカのマスメディアに話題が拡大、この件に対して、ディズニー側は7月14日に『サンフランシスコ・クロニクル』紙に回答を寄せ、公式にはアメリカで放送された『ジャングル大帝』をスタッフは見ていないとして模倣を否定した。ただし、このディズニー側の主張に対しては、フレデリック・L・ショット、有馬哲夫、渡辺繁らから疑問が呈されている。 日本へはアメリカで話題になっているとして、共同通信が配信。7月13日に『毎日新聞』、翌14日に『読売新聞』、18日に『朝日新聞』が報じたのをはじめとして、スポーツ新聞やテレビでこの問題が紹介された。手塚治虫を敬う漫画家の里中満智子は『ジャングル大帝』を見たことはないとするディズニーの態度に疑問を抱き、ディズニー作品を配給するブエナ・ビスタ・インターナショナルへ質問状を送った。里中の質問状には、ちばてつや、藤子・F・不二雄、水島新司、永井豪、モンキー・パンチ、矢口高雄、一条ゆかり、弘兼憲史、杉浦日向子ら約80名の漫画家が賛同し、計488人の署名が添えられた。その一方、手塚治虫の死後、著作権を管理している手塚プロダクション並びに遺族は仮に盗作だったとしてもディズニー側と事を構えない事を決めた。理由は「ディズニーファンだった故人がもしもこの一件を知ったならば、怒るどころか『仮にディズニーに盗作されたとしても、むしろそれは光栄なことだ』と喜んでいたはずだ」とした。手塚治虫の長男で、手塚プロダクションの取締役も務める映像作家の手塚眞は、問題にしなかった理由として、ディズニーへのバッシングに荷担したくなかったこと、文化は模倣によって成立すること、『ライオン・キング』には白いライオンが登場せず、動物だけの世界で閉じており『ジャングル大帝』のような人間社会と交流するドラマがないことを理由に似ているとは思わなかったことを挙げている。有馬哲夫も『ライオン・キング』はディズニーの世界戦略から『ジャングル大帝』のような社会性がないことを指摘し、かつて虫プロに在籍していた吉川惣司も文化は互いに影響しあうものであるとして手塚プロの対応を見識であると評価している。手塚プロもテレビアニメ版を制作した山本暎一も問題にしなかったこともあり、騒動は自然と終息した。ディズニー側からの里中満智子への返信には模倣は否定しつつも、手塚治虫の業績を認め、手塚へ敬意を表する旨が記されていたという。なお、手塚は『バンビ (映画)』が日本で公開された1951年の翌年である1952年に『バンビ (童話)』の漫画化を手掛けている。これはその当時の日本におけるディズニー社の映画の総代理人で大映社長であった永田雅一の許諾を得た上での完全に合法な出版物であり、一部に誤解があるようないわゆる海賊出版などでは全くない。
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