ディスクカード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:24 UTC 版)
「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」の記事における「ディスクカード」の解説
ディスクシステムに用いる「ディスクカード」は、当時まだ高価だったフロッピーディスクの廉価代用品となるべくミツミ電機で開発されたクイックディスク規格を元に作られた。技術的な仕様はクイックディスクと同様で、両面それぞれが利用できアクセス速度が比較的速いが、トラックは1つのみ、シーケンシャルアクセス限定でランダムアクセスができないため、一度のロード(セーブ)にかかる時間は一定である。逆側の面を読み込ませる場合には、画面の指示に従って手動でディスクを裏返す必要がある。 ディスクカードの容量は両面で896キロビット(112キロバイト)で、登場した時期のロムカセットに比較して約3倍の容量を持っていた。さらにゲームの途中のデータやハイスコアなどをディスクカードにセーブすることにより、本体の電源を切った後もデータを保持できるといったことも、当時のロムカセットでは不可能なことだった。 両面ソフトの場合は必ずA面から読み込ませる必要があり、B面から読ませようとするとエラーが発生する。そうした特徴からタイトル画面のデータとセーブ領域をA面にまとめているソフトが多い。 殆どのタイトルは両面ソフトだが、片面や2枚組のソフトも存在する。片面ソフトは1枚のディスクのもう片面に別の片面ソフトを書き込むことができた。2枚組ソフトは両面ソフト2枚を使った前後編で、後編の再開・中断には前編ディスクが必須であった。 任天堂純正品のディスクの色には、 通常の黄色ディスク シャッター付きの青色ディスク イベント景品用の金色ディスク 同じくイベント景品用に作られた銀色ディスク 開発用の白色ディスク 検品用のピンク色ディスク の6種類存在する。銀色ディスクは流通数が少なく知名度が低い。 ディスケット形状はクイックディスクに比べやや細長くなっており、ディスク下部に「NINTENDO」の刻印がある。この刻印はドライブ挿入時にかみ合う仕組みになっており、任天堂純正品以外は用いることができないように工夫されていたが、実際には通常のクイックディスクも、ディスケットの形状さえハックできれば、フォーマットすることで普通に使用できた。任天堂からはデータが収録されていない、いわゆる生ディスクは供給されず、ゲームソフトを購入して後述するディスクライターに書き換えることになっていた。クイックディスクはMIDIシーケンサーやMZ-1500、MSXに採用されていたが、流通量は多くはなく、三才ブックス『バックアップ活用テクニック』誌のPART10には当時まだ存在していた8インチのフロッピーディスクを切り抜いてクイックディスクに改造する制作記事まで掲載された。その後、アイ・ツーやハッカーインターナショナルから非公認の生ディスクが発売されていた。また、市販のクイックディスクに取り付けて「NINTENDO」刻印でのメディア選別をすり抜けるためのアダプターも発売されていた。
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